「景気が悪くなった」34.1%、景気悪化感大幅に上昇
2007年10月05日 06:30
日本銀行は10月4日、9月に行なった「生活意識に関するアンケート調査」の結果を発表した。それによると1年前と比べた時の現在における景況感について「景気が悪くなった」と答えた人が34.1%に達し、6月の前回調査結果の23.6%から10.5ポイント分も悪化したことが明らかになった(【発表リリース、PDF】)。
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今調査は日本銀行が定期的に行なっているもので、今回調査の期間は8月15日から9月10日、20歳以上の個人を対象にしたもので、4000人に対して郵送調査方式で行い、2179人から有効な回答を得られた。
1年前と比べて現在の景気はどうなっているかという景況感についてたずねたところ、「悪くなった」と答えた人が34.1%と前回調査の23.6%から大幅に増えている。
景況感・現在を1年前と比べると
前回・前々回とを合わせて見ると、前回は「変わらない」が減り「良くなった」「悪くなった」の両方が増えて「景況感の二極化」が見られた。しかし今回は前回から比較して「変わらない」「良くなった」がそれぞれ数ポイント減り、その分「悪くなった」が増加しているのが特徴的。
2006年から調査方法を「訪問留置」から「郵送方式」に変更しているため、一概に比較することはできないが、景気判断意識は大幅に「景気は悪化している」方向へ移りつつある。また、一年後の見通しについても「悪くなる」と答えている人が増加しているのが気になるところ。
「良くなる」-「悪くなる」から得られた数字「D.I.」。プラスならば景況感は「よくなる」が支配的、マイナスならば「悪くなる」が支配的。下がれば下がるほど不況感がキツい。
1年後の景況感見通し。大幅に「悪くなる」が増えている。
景気判断の材料としては「自分や家庭の収入状況」「勤め先や自分の店の経営状況」などが支配的。例えば世帯収入について「現在を1年前と比べると」どう変わったかについての問いでは「減った」が4.8%増えて45.0%になったのに対し、「増えた」は0.3%減り8.1%。一方で支出は「増えた」が2.4%増えて38.5%になったが「減った」は19.1%と2.0%減っている。要は「実入りが減って出るお金が増えた」と感じている人が増加していることが分かる。
各種官公庁からの発表データにもあるように、企業が従業員に支払う労働対価の額=世帯収入は伸び悩む一方、生活必需品は続々と値上げし家計を圧迫している。この現状が景気の悪化感と今後の見通しの「明るさ」にも現れているといえよう。
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