禁煙治療開始後から1年、禁煙を続けられた人は32.6%
2007年10月16日 08:00
厚生労働省は10月10日、中央社会保険医療協議会内診療報酬改定結果検証部会において第14回中央社会医療協議会診療報酬改定結果検証部会資料を公表した。その資料によると禁煙治療を開始してから1年後(禁煙治療指導終了から9か月後)に禁煙状態が続いている人は全体の32.6%に留まっていることが明らかになった(【発表リリース、PDF】)。
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今調査は今年7月から8月に行なわれ、対象となった患者数は2546人。男女比は1884対662。年齢構成は60歳以上がもっとも多く780人、ついで50~59歳が608人など。年齢構成が高いからかヘビースモーカーが多く、禁煙指導開始時における喫煙年数は40年以上が29.3%ともっとも高く、開始時における1日あたりの喫煙本数も20~40本未満が64.6%・40本以上が22.9%と高い値を示している。
禁煙治療指導は12週間(3か月)に渡り5回通院することで行なわれ、貼り薬などの使用方法で医師の指導を受けるなどの治療をするというもの。この治療指導を終え、9か月後に禁煙が続けられているかについてて追調査が行なわれた。
指導が終わってから9か月後、つまり指導をはじめてから1年後における、禁煙継続率に関する調査結果は次の通りとなる。
禁煙指導開始から1年後における禁煙継続率
全体においては32.6%が一年後も禁煙を継続することが出来ている。また、5回の指導すべてを受けて禁煙を継続できていた患者については半数近い45.7%が一年後においても継続して禁煙を続けられているのに対し、1回目の指導で断念してしまった人はわずか13.5%に留まっている。その他禁煙指導を継続できた回数が多ければ多いほど、禁煙継続率が高まっていることから、禁煙治療指導が効果を上げていることが分かる。
参考事例としてイギリスの1年間継続喫煙率は17.7%という数字が挙げられている。治療方法が異なるのであまり参考にならないものの、比較的効果が出ているとも思われる。しかしその一方、喫煙継続率32.6%に対して失敗率が33.3%と継続率を上回っていることから、「禁煙治療指導は成功といえるのかどうか」という評価については意見が二分されそうである。
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