東証の不正監視部門、独立法人化へ・11月から事業開始
2007年10月18日 08:00
東京証券取引所は10月17日、企業の上場を審査する部門を自主規制法人「東京証券取引所自主規制法人」として独立させ、来月11月からの業務開始を目指すことを発表した(【発表リリース】)。また、この自主規制法人で行なわれる業務に関し、自主規制機能強化のためのプログラム「R+(アールプラス)」を策定し、発表した(【発表リリース】)。
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東証は【株式会社東京証券取引所グループの設立等のお知らせ】にもあるように8月から持ち株会社「東京証券取引所グループ」を設立している。これは2009年に上場を目指しての動きだが、それにあわせて市場からの信頼性向上を狙い、今回不正な株の取り引きや上場企業を監視する部門を独立させた。
東京証券取引所自主規制法人の初代理事長には、元財務事務次官で現在「日本投資者保護基金」(証券会社破綻時に顧客の損失を補償する基金。顧客一人につき1000万円が上限)の理事長を務める林正和氏が選出されている。同法人は今後金融庁に各種業務認可を受けた上で、11月1日から事業を開始する予定。
東証を問わず上場企業においては、投資家の信頼を損ない「上場企業らしからぬ」行為を繰り返す企業や、(上場後の動向を見るにつけ)そもそも上場する基準を満たしていたのかどうか疑問視されるような企業が少なからぬ見受けられる。これらの企業の行為が国内外を問わず投資家からの信頼を失墜させる大きな要因であることは否定できない。また、証券取引等監視委員会の摘発の有無を問わず、不正な取引と思われる株価動向は日常茶飯事的に発生している。
東京証券取引所自主規制法人がその独自性を活かし、いかに投資家の信頼を勝ち得るような審査や監視、そして措置を取るかによって、独立法人化した意義、さらには東証・日本市場そのものの評価が決められると表現しても過言ではない。同法人の責務は重く、それだけに期待がかかっているといえよう。
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