ロードブリティッシュ、10年越しにリターンマッチを宣言・『Tabula Rasa』最終βで自らの身を呈したコンテストを開催
2007年10月21日 12:00
かつては『ウィザードリィ』と並んで二大ロールプレイングゲームの一つ『ウルティマ』シリーズの開発を陣頭指揮し、昨今のオンラインゲームのブームと普及のきっかけになった代表作の一つ『ウルティマ オンライン』を世に送り出した、ロード・ブリティッシュ公ことリチャード・ギャリオット(Richard Garriot)氏。氏が現在製作している多人数同時参加型ネットワークゲーム【Tabula Rasa】が間もなく発売されるが、その最終ベータテストにおいてギャリオット氏がある人物に宣戦布告をした。その人の名はRainz。『ウルティマ オンライン』での借りを返そうという話のようだ。
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この話は10月19日の公式サイト上で明らかにされたもの(【該当ページ:Feedback Friday】)。General British(ジェネラル・ブリティッシュ。『Tabula Rasa』でギャリオット氏はこのように呼ばれている)からRainzへのメッセージとして次のようなステートメントが発表された。
From: General British
To: Rainz
(ジェネラル・ブリティッシュからRainzへ)
Subject: Rematch
(リターンマッチ希望)
You may have killed me at the UO End of Beta event, however this was not a proper duel. You took me out when I wasn't expecting it... I handed that to you. Now that I'm ready, I would like to see you try to bring me down again, Rainz. Come and get me.
(あなたは『ウルティマ オンライン』のベータテストで私を予想外のうちに打ち倒したかもしれない。しかしその時は正当な決闘といえるような状況ではなかった。いわば不意打ちを食らったのだ。そこで私はあなたに決闘を申し込むことにする。ベータテストにおいて再び私の元に現れ、そして私を正々堂々と打ち倒すが良い)
さらに公式サイトを見ると【KILL GENERAL BRITISH CONTEST(ジェネラル・ブリティッシュを打ち倒そうコンテスト)】まで開催している。
KILL GENERAL BRITISH CONTEST(ジェネラル・ブリティッシュを打ち倒そうコンテスト)。
事情について少々説明をすると、『ウルティマ オンライン』のベータテストが行なわれていた1997年8月8日、ロード・ブリティッシュ自らが登場するイベントが開催された。しかし開発側が氏の無敵フラグを立て忘れたため、プレイヤーの一人Rainz氏が出したFire Field(炎攻撃魔法)で、ロード・ブリティッシュが死んでしまうというハプニングが起きた。これについて開発側ではRainzのアカウントを停止したため、色々と物議をかもすことになった(ちなみに今件については後ほど開発側が【見解を発表し(UONNより)】、アカウント停止の理由がロード・ブリティッシュ公への狼藉を原因とするものではなく、これまでに度重なるハッキング行為を繰り返していたためだと説明している)。
ハッキング行為によるものだとはいえ、公式の場で自分のキャラクタを倒されてしまったという、オンラインゲーム史上に残るような失態をしてしまったロード・ブリティッシュにとって、例えゲームは移り変わってもRainzのことは忘れるわけにはいかなかったということになる。
イベントには「Rainz」と名をつけたキャラクタがダース単位で登場することは必至だと思われる。その中に本当の「Rainz」がいるのかどうか、そしてロード(ジェネラル)・ギャリオット氏がリベンジできるのかどうか。それは10月末に開催されるというイベントで明らかになる。
ともあれ、10年越しに「再戦を希望する」と自分の開発したゲーム上で宣言し、相手の登場を待つあたり、子ども心を忘れない、色々な意味でリチャード・ギャリオット氏らしいといえよう。
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