【更新】「宇宙は未知なる暗黒エネルギーに満ちている」理化学研究所が確認

2007年09月27日 06:30

宇宙空間イメージ独立行政法人理化学研究所は9月26日、宇宙が「暗黒エネルギー」に満ちているという証拠を、既存の方式とは異なる独自手法で得ることに成功したと発表した。「重力レンズ現象」を過去最大規模で系統的に観測した結果とのこと([発表リリース])。

スポンサードリンク

これまでの天文観測の進展によれば、普段人が目にしている物質は宇宙全体の質量からすればほんの数%に過ぎず、他の質量の大半は「暗黒エネルギー」と呼ばれる、宇宙を均一に満たす謎のエネルギーによって占められているということが示唆されている(アインシュタインの一般相対性理論によれば「質量」と「エネルギー」は同一。エネルギーがあればイコール質量が存在するなので、宇宙の暗黒エネルギーはその分だけの宇宙の質量に占める割合として表現できる)。しかし元々目にも見えずつかみどころがないものなため、これまで直接的に検出されることは無く、天文学や物理学の最大の謎の一つとされている。

今回理研のグループでは遠方の天体からの光がその視線上にある別の天体によって曲げられ、見かけ上複数に分裂して観測される「重力レンズ現象」という天体現象に着目。その現象に関して大規模な探索を行なうことで、宇宙の暗黒エネルギーが宇宙全体の質量の70%を占めていることを確認した。さらにアインシュタインが導入し、後に撤回した「宇宙項」と呼ぶものにも矛盾しないことも確認され、暗黒エネルギーの正体の解明に向けた新たな一歩を踏み出すことに成功したという。

要は”宇宙中に敷き詰め満たされているらしい存在(地球上でなら「空気」のようなもの)がエネルギーとして存在し、それを「暗黒エネルギー」と呼んでいる。しかしその存在はつかみ所がなく、「存在している」という証明自身が難しかった。今回理研が独自方法で「暗黒エネルギーはあるらしいよ」「その質量は宇宙全体で70%を占めるらしいよ」ということを確認できた”……ということ。

「暗黒エネルギー」というと人間の心をダークサイドにいざなうような物体として、宇宙規模の親子ゲンカ映画をはじめとした各種SF映画が頭に思い浮かぶが、特にそのような性質を持っているわけではない(……はず(笑))。壮大すぎる話なだけに、まさに言葉どおり「つかみどころ」がないが、宇宙の深遠を探るドラマを求める人たちにとっては、偉大なる一歩であるのかもしれない。

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ