ファミマの消臭タオル、一部の効果なしとして回収・返金へ
2007年09月26日 08:00
[ファミリーマート(8028)]は9月25日、同社が発売していた消臭効果があると喧伝していた商品の綿製タオルに実際の効果がなかったとして、販売を中止、既存購入者にも代金の返送による返金を行なうと発表した(【発表リリース】)。対象となる商品は「フェイスタオル」「ハンドタオル」など計4種類。
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今回のリリースや、5月17日の発売当初のリリースによると、「フェイスタオル」「フェイスタオル3枚組」「ハンドタオル」「パワー消臭タオル」の4種類はアンモニア(汗臭)、トリメチルアミン(腐魚臭)、硫化水素(腐卵臭)、メチルメルカプタン(たくわん臭)などの臭いの元となる分子を化学的に吸収し、急速に分解・中和するものとうたっていた。しかし実際にはその一部(テキストリリースによるとアンモニアのみ、PDFリリースによるとアンモニアとトリメチルアミンのみ)しか効用を有していないことが判明した。
発売当初は「その消臭機能は、繊維の寿命と共に継続するため、洗濯後もその効果は変わらず、半永久的に続きます。また、化学繊維を使用していない100%綿素材のため、肌触りもふんわり柔らかく仕上がっています。その他にも、流通コスト等を極力抑えたことで、現在市販されて消臭機能を持った他のタオルと比べ約3分の1という、大変お求めやすい価格を実現しました」と説明すると共に、コンビニでタオルを買い求める工事現場関係者や学生などにぴったりと宣伝していたが、残念ながらその効果の一部しか発揮できていなかったことになる。
リリースには「外部から消臭効果に疑問があり、企画販売をしていた【伊藤忠商事(8001)】の子会社VCJコーポレーションが調査したところこのような事実が判明した」としか説明されていないが、一部報道によると効用をチェックした試作品と製品との間で、製造段階においてタオルの繊維を別のものに変えてしまったことが原因と説明している。
現段階で同タオルはすでに50万枚ほど売れてしまっているが、商品の返品を希望する場合には代金・返送費用の全額を負担するとのこと(連絡先もリリースに記載あり)。
構成成分で発揮される効用をセールスポイントとしているタオルで、なぜ繊維を別のものに変えてしまうというミスが生じたのか、疑問が残る。例えるなら「自然素材のみで作られたラーメン」とうたっておきながら、実際には合成品だけだったというようなもの。リリースには「輸入元」という表記があるので、生産を担当した海外の発注先との意思疎通上の問題があったものと思われるが、それ以上のことは発表に無いので分からない。ただ、似たような話は最近いくらでもゴロゴロしているので、想像はできるのだが。
いずれにせよ、消臭効果をうたったタオルも実際には臭いは取れず、残念ながらタオルの効用も「くさい話」だったというわけだ。
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