火星に洞窟!? 探査機の画像解析から判明
2007年09月25日 06:30
アメリカ航空宇宙局(NASA)は9月21日、火星探索機Mars Odyssey(マーズオデッセイ)が撮影した火星の地表画像の分析の結果、火星表面上に洞窟の入り口らしきものが発見されたと発表した。残念ながら高高度にあるために、生物が居住地として使用している可能性は無い(仮に火星上に生物が存在していたとしても、その洞窟までには達しなかっただろう)とも伝えている(【発表リリース】)。
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「洞窟」が見つかったのは火星上でもっとも高い高度を持つ山のそばにあるArsia火山上。その火山上には7つほどの円形の穴が見つかり、直径は100メートルから250メートルほどだった。これらの「穴」には「Seven Sisters(7人姉妹)」という名前が名づけられている(具体名はDena、Chloe、Wendy、Annie、Abbey、Nikki、Jeanne)。
これまでの火星探索機では調査できなかった熱情報の変化についてマーズオデッセイの赤外線カメラで確認したところ、この部分の温度が日中は周囲より低く、夜間は高いという結果が出た。この傾向は「地面に開いた深い穴」と一致するもので、この穴たちが「地底への入り口の可能性が高い」という結論に至っている。
公開された火星上の洞窟への穴「7人姉妹」
発表レポート内でアメリカの地質調査所のTim Titus(ティム・タイタス)氏は今回発見された「洞窟」について、
「単なる縦長の穴かもしれないし、地下の洞窟への入り口かもしれないが、どちらにしても火星内部への入り口には違いない。火星のどこかで、これらのような洞窟が過去、あるいは現在、生物の安住の地として存在している可能性はある。また将来において人類が移住した際の居住地の基礎として活用できる可能性もある
(Whether these are just deep vertical shafts or openings into spacious caverns, they are entries to the subsurface of Mars.Somewhere on Mars, caves might provide a protected niche for past or current life, or shelter for humans in the future.)」
とコメントしている。
宇宙開発そのものが火星や金星、月への探索よりも地球軌道上の宇宙ステーションへ注力されている昨今、火星への探索がこれ以上綿密に行なわれる可能性は低い。ましてや宇宙開発そのものへの関心と予算配分が減少している今日では、例えば火星に実際に人や地上探索機を多数送り込み、この「7人姉妹」を調べることはまず無理だろう。
今回発見された洞窟内をはじめ、火星の地中・洞窟内に火星人が居たとしても、文明レベルが高い域に達していることは恐らく(そして残念ながら)ない。しかし何らかの生物がいた・いる可能性は否定できず、非常に興味深い話ではある。
(最終更新:2013/09/08)
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