中高生のケータイ通販、代引・コンビニ決済がメインで平日の夜に多用

2007年09月23日 12:00

【バンダイネットワークス(3725)】など3社は9月5日、中学生・高校生の携帯電話向けオンライン販売サイト(携帯ECサイト)の利用状況に関する調査結果を発表した。それによると回答者の過半数が支払方法に代引(代金引換)を用い、コンビニ決済がそれに続く結果となった。おサイフケータイや(親の)クレジットカードなど、通販のメリットを最大に活かせるデジタル的な支払はさすがに中高生では無理なようだ。また利用時間帯としては平日の夕方から夜にかけての間が最も多く、学校から自宅に戻った後、自分の時間を楽しむ過程で通販を利用している状況が想像できる(【発表リリース】)。

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今調査は7月13日に携帯サイト会員に対して行なわれたもので、有効回答数は1107人。対象年齢は13歳から18歳。構成年齢層は16歳が28%、15歳が21%、17歳が20%など。男女比率は21対79。

今調査の大まかな結果はすでに【モバイル通販深く静かに浸透中・中高生でも25.2%が経験あり】でお伝えした通りなので、今件は「支払方法」と「利用時間帯」に焦点を絞ってみる。自らの収入源をもたない人がほとんどのはずの中高生が携帯電話を使って通販を利用する場合、どのような支払方法を用いるのかには興味が沸くもの。また、一日のほとんどを学校(と塾)に拘束される中高生が、いつ携帯で通販を利用するのかも気になる人が多いだろう。

支払は「代引」「コンビニ決済」「銀行振り込み」で9割

まず「支払方法」だが、これは大方の予想通り「代金引換」つまり「代引」が過半数の57.5%を占めた。

総合及び男女別支払方法
総合及び男女別支払方法

全体そして男女とも「代引」が過半数を占めている。さすがにカードを自分で持っているはずもなく、全体では「コンビニ決済」「銀行振り込み」が続く。

注目したいのは男女別の第二位以降の決済方法。ざっと並べてみると次のようになる。

■男性
第二位……銀行振り込み/おサイフケータイ(各12%)
第四位……コンビニ決済/親のクレジットカード(各8%)

■女性
第二位……コンビニ決済(31%)
第三位……銀行振り込み(7%)
第四位……親のクレジットカード(2%)


男性ではおサイフケータイの利用率が1割以上とかなり高めなこと、親のクレジットカードを利用する場合が多いことなどが目に留まる。一方女性ではコンビニ決済が3割以上とずばぬけて高いのが特徴。

携帯通販で購入する商品の属性そのものが男女で異なるため、その商品ごとの決済方法の特徴によって特定の支払方法を選ばざるを場合もあるだろう。しかしそれ以外に、男性はおサイフケータイを積極的に活用していることや、「親に携帯で通販を利用しているのが把握されても問題ない」「面倒くさがられてもかまわない」と考えて(親のクレジットカードの活用)いるのかもしれない。一方女性はコスメなどの化粧品の購入傾向が強いため、気恥ずかしさもあるからだろうか、出来る限り自分自身で支払を完結できる方法を選んでいるという考え方もできよう。

利用時間帯は「家に戻ってから寝るまでの間」が主流

続いて利用時間。一日の大半を机と向かう中高生にとって、少ない自由時間の中でいかに携帯ECサイトを見回り、ほしいものがあれば注文するか。本人達にとっては死活問題とまではいかないものの、かなり重要な問題に違いない。持ち運びが出来るという携帯電話のモバイル性を活用し、通学時の時間をフルに利用しているのだろうか。

携帯ECサイトを利用する時間帯
携帯ECサイトを利用する時間帯

しかし実際には、自宅に戻ってから寝る前までの時間帯に利用する人が半数近くを占めるという調査結果になった。休日の夜半の数字を足すと、過半数が「夜、寝るまでの間に携帯ECサイトを利用する」ということになる。この傾向は男女共に共通のものだった。

通学時、すなわち「登校時」「下校時」は合わせて1割程度。通学スタイルによっては携帯電話を使えない人もいるだろうし(例えば自転車通学)、数少ないおこづかいを使って買物をする以上、言葉どおり「片手間」で調べたくはない、ということなのかもしれない。


「支払方法」「利用時間帯」と2つの観点で中高生の携帯ECサイトの利用状況をチェックしてみた。この年齢層で通販、しかもパソコンや通販雑誌ではなく携帯電話から、ということで違和感を感じる人もいるかもしれない。しかし実際には自分の自由時間の中でサイトを利用し、用意されている手段をうまく活用していることが分かる。

携帯電話はいつでも手身近にあり、支払方法と支払額さえ確保できれば、24時間いつでもどこでも買物ができるのが携帯ECサイトの最大の特徴。通販雑誌や一般雑誌の通販コーナーのようにかさばるわけでもなく、検索機能を使えば多種多彩なアイテムを探せる。専門サイトを訪れれば好きな商品の最新アイテムを確認できる。携帯電話はまさに時代の最先端の入り口であり、気にいればすぐに手に取るべく注文ができる、夢のような道具といえよう。むしろ彼らにとっては近所の本屋で新刊を注文して購入するような感覚で、携帯ECサイトを用いているのかもしれない。

もちろん大人がカードやローンで痛い目にあうように、中高生も商品の魅力に取りこまれて似たような問題に巻き込まれる可能性はないとはいえない。「使ってはいけない」と否定するのみではなく、むしろ携帯ECサイトの利用時における注意点を積極的に啓蒙すべきなのかもしれない。


(最終更新:2013/08/19)

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