モバイル動画は「ちょっと見」の極地!?

2007年09月20日 08:00

【Japan.Internet.com】が9月18日に伝えるところによると、携帯電話での動画の利用状況について、再生する動画の長さは5分以内と答える人が9割以上を占めていた。移動先でちょっとした時間をつぶすのに最適なアイテムとして用いられる携帯電話だが、動画再生においてもその使用傾向に変化はないようだ。

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今調査は10代から50代の男女1068人を対象に行なわれたもので男女比は41.76対58.24。年齢構成比は30代43.26%を筆頭に、20代28.65%、40代19.76%など。

携帯電話で動画を見る状況となると「ワンセグを使ってテレビ放送を見る」「(Youtubeなどのような)サイト上で公開されている動画を見る」「メールで送られた・指定された・本体内に保存されている動画を見る」の3パターンが想定できる。二つ目・三つ目が動画ファイルの再生なのに対し、一つ目が電波の受信であることを考えると厳密には意を異にしているのだが、「携帯電話上で動きのあるものを見る」という意味でまとめておく。

「携帯電話上の動画再生経験者は6割強」「5人に1人はテレビ付携帯電話を持っている」(【ワンセグ携帯が出荷累計1000万台突破】の「全体では11%前後」「7月に限ると30%強」を足して二で割るとちょうどこのくらいの値になるのも興味深い)なども掲載されているが、ここでは「携帯電話で再生されるモバイル動画の長さ」について見てみることにする。

携帯電話上でどの程度の長さの動画を再生しているかという問いには、「10~30秒」、つまりテレビコマーシャル程度の長さのものがもっとも多数を占めた。

携帯電話上で再生する動画の長さ(動画再生体験者720人に対し)
携帯電話上で再生する動画の長さ(動画再生体験者720人に対し)
5分以内は9割
1分以内では8割弱
ケータイ上の動画は
再生時間が短い


元資料では「5分以内が9割」と表現されているが、5分といえばショートタイプのアニメ、天気予報、「キユーピー3分クッキング」など料理番組、ニュース解説など、小さなひとまとまり分となる。普段据え置き型テレビでじっくりとテレビ番組を視聴するスタイルではなく、携帯電話では「空き時間を利用してちょっと美味しいところをつまみ食い」するスタイルが動画閲覧でも行なわれているのだろう。

また「1分以内」で計算しなおすと77.8%。8割近くまでが天気予報はおろかテレビコマーシャルサイズでしか携帯電話上の動画を再生していないことになる。ワンセグのような長時間閲覧することを前提としている機種が普及速度を加速させている一方で、動画再生時間はきわめて短いというのは、注意を引き寄せられる話ではある。

携帯電話上の動画は
「ちょっと見」を前提に
創る必要がある

動画制作側としては「一秒でも長くじっくりと見てほしい」という要望があるのだろうが(特に企業側・広告展開側)、実際に携帯を使う側はそのような利用方法はさらさら考えていないようだ。ライトノベルに目を通したり、週刊誌やマンガ本をちらちらと読み通すような感覚で、動画やワンセグ上のテレビを見ている。さらに携帯電話上で表示される以上、それがメールでもネット上の文字列でもゲームでも、もちろん動画でも同じ扱いをし、同じ色眼鏡で見る、といったところだろうか。

パソコン上でじっくりと閲覧できるタイプの動画と違い、携帯電話上で再生されることを前提としている動画では、コンテンツそのものもあわせて「短くケリがつく」ことを計算して編集・構築する必要がありそうだ。

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