アルバイトやパート、希望は「週三日」現実は「週五日」
2007年09月17日 19:00
【インテリジェンス(4757)】が運営する仕事情報ブランド「an」では9月11日、アルバイト・パート、派遣社員・契約社員など非正規社員が仕事を探す際の勤務時間や日数の希望とその現実についての調査結果を発表した。それによると、ほとんどの職種で希望より長時間労働をしていることが明らかになった(【発表リリース】)。
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調査は2007年2月にインターネット経由で行なわれ、対象は15歳から34歳の男女6941人。現在高校生や短大・専門学校・大学・大学院生、フリーターや主婦の人で、過去一年間に非正規社員の仕事についたことがあり、さらに今後も非正規社員としての就労を希望している人を対象に絞っており、正規社員は対象外。
調査対象の非正規社員における職種としてはさまざまなものが例示されているが、例えば事務職の場合、希望する勤務日数は「週三日」と答える人がもっとも多く4割近くを占めている。にも関わらず、実際に事務職についている人の勤務日数は過半数が「週五日」を示している。
非正規社員事務職における勤務日数の希望と現実
希望がもっとも多い「週三日」はわずか18.2%に留まっており、希望がかなえられにくい現状を表しているといえよう。
また、平日における勤務時間も、希望では「5時間」がもっとも多く22.5%、「6時間」もあわせた「6時間以内」が57.3%を示してるが、実際に「6時間以内」が実現化している割合は44.4%と10%以上少なく、労働時間の面においても希望よりやや長めに勤務していることが分かる。
非正規社員事務職における平日勤務時間の希望と現実
一方他業種では簡単にまとめると、次の傾向が見られる。
・web関連専門職……希望はややハード、現実はさらにハード
・レストランやカフェ、……希望と現実はほぼ同じ。週三日多し。
・スーパー、量販店……勤務日数は多いが一日あたりの勤務時間は短縮傾向。
・商品検査、仕分け……週五日が多く、一日あたりの勤務時間も長い。
・テレフォンアポインター……希望は週三日、現実は週四日が最多。
・美容関連……希望は週三日~五日、実際は週五日が最多。
・医療、福祉関連……週五日勤務が多いが、同時に三日以内も多い。
いずれの職種でも「平日において、希望勤務日数・時間より実際の勤務日数・時間が短い」という事例はなく、時間に余裕を持ちたい非正規社員の希望はなかなかかなえにくい状態にあることが分かる。
方今回の調査結果からは、「事務職や美容関連は女性に人気」「テレフォンアポインターは半数近くが大学・大学院生」「事務職、スーパー販売員、商品の仕分け、医療・福祉関連は定着率が高く、Web関連専門職やテレフォンアポインター、レジャー施設スタッフ、美容関連は定着率が低い」など、各職種の傾向について面白い結果が出ている。
レジャー施設は季節性(例えば冬場のスキー場や夏の別荘地帯のレジャー施設管理)があるので定着率が低いのは当然といえるが、Web関連専門職やテレフォンアポインターの定着率が低いのは、同業種のハードさを物語っているといえよう。
ただ今回のアンケートでは労働時間において「長い」「短い」といった選択肢しかないため、「希望より長い(≒つらい)労働条件を飲んだ理由」は分からない。条件がよいので積極的に長時間労働を望んだのか、この条件でないと雇ってもらえないから仕方なく労働時間上の条件を妥協したのか、どちらの場合が多いのかの判断がつかない。アルバイトやパート側が労働時間の条件を提示できる場面はあまり無いので、恐らく後者が主な理由だと思われるが、この点がはっきりしないのが残念といえば残念である。
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