今調査は7月18日から26日にかけてインターネット上にて行なわれたもので、対象者は8135人。男女比は43対57、年齢平均は男性43.7歳、女性38.0歳。年齢構成は30代がもっとも多く35.5％、ついで40歳の28.5％。

●一人暮らしの完全自炊率は28.9％・まったく料理をしない人も1割強

自宅で料理をする頻度を尋ねた質問では、全体的には45.6％の人が「毎日家庭で料理をしている」と回答している。その一方、一人暮らしではわずかに28.9％に過ぎなかった。

同居人数別「家庭で料理をする頻度」

同居人が一人でもいれば「家庭で料理をする頻度」は4割以上に達するのに、一人暮らしに限っては3割に満たない数でしかないことが分かる。例えば妻や親などの同居人がいればそれらの人に料理を任せきりになり、かえって料理の頻度は減るものと思われたが、現状は逆のようである。むしろ一人暮らしの場合、「どのみち食べるのは自分だけなのだから」と気楽に考え、食生活を通じた健康管理もおざなりになってしまうのかもしれない。

特に「一人暮らし」で「家庭で料理はしない」と答えた人が11.9％と1割強にのぼるのが非常に不安。同居人が居れば上記のようにその同居人に料理は任せているということで理解はできるのだが、一人暮らしの場合はその説明ができない。すべて外食か中食(お弁当屋やコンビニなどで惣菜・お弁当などを買い、自宅で食べる)で済ませているのだろうか。

●毎日野菜を食べる割合、一人暮らしがもっとも少なく38.4％

続いて「野菜を使った料理を食べる頻度」について見てみると、全体的には7割近い67.2％が「ほぼ毎日」と答えているのに対し、同居人が居ない一人暮らしの場合は38.4％と4割にも満たないことが分かる。

同居人別「野菜を食べる割合」

こちらも自炊の頻度同様に、二人暮し以上と一人暮らしでは大きな差が見られる。同居人が一人でもいれば「毎日野菜を食べる」人は7割前後となるが、一人暮らしの場合は4割にも満たない。栄養バランスと体調を整える上で欠かせない野菜の摂取という観点からすれば、一人暮らしの食生活はきわめて不健全であることが推定できる。

同調査結果を元にした先行記事(【「野菜が足りない!?」と思った時に口にするのは野菜ではなくて……】)にもあるように、一人暮らしにおいては「野菜分が足りない」と感じた時に野菜そのものではなく野菜ジュースで代用する割合が多いことも明らかになっている。これらをまとめると、一人暮らしの生活では

という、ポジティブにとらえればシンプル、通常の観点で考えると栄養学的に見て不健康な生活をしていることがうかがえる。「野菜さえ採れば良いのか」というわけではないが、健康管理の面ではあまり好ましくない状況であることに違いは無い。

正直、自炊で野菜の料理を作るのは手間がかかるし面倒。簡単な炒め物を創るにも野菜を洗ってきざみ、フライパンを用意して油をなじませて肉類を最初に炒め、しかる後に野菜を加えて調味料をふりかけ、頃合を見て火を止める。入れる野菜によってはフライパンへの投入タイミングを別々にする必要もある。食べた後の片付けもかなり面倒くさい。

さらに野菜は日持ちしない。買って来たら数日のうちに食べつくさないとすぐに傷んでしまう。一人暮らしで野菜料理を作るのが敬遠されているのは、実は手間よりも食材の野菜の傷みが早く、食べきれないからというのが大きな原因だったりする(体験談含む)。

しかし簡単な調理方法を活用したり、小さな切り分け野菜を購入したり、保存の利く野菜を探すなど、工夫次第で一人暮らしでも「自炊」で「野菜」を十分に採ることは不可能ではない。あとは時間との戦いのみ。

食生活上の不健康は、すぐに影響が現れるわけではない。数年、数十年のインターバルをおいて体をむしばむ場合が多い。その時になって後悔することのないよう、一人暮らしの人は今から少しでも自炊で野菜料理を作り、口にする習慣を身につけよう。