携帯の「パケット料金」が高額になる例を紹介・業界団体が注意
2007年09月09日 12:00
【日経新聞】が伝えるところによると、携帯電話などの業界団体である【電気通信事業者協会】では、「パケット通信」で使用料金が高額になるケースを例示し、注意をうながという。具体的には9月10日月曜からサイト上に掲載するとのこと。
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携帯電話でインターネットやメールサービス、最近ではワンセグ(放送そのものは公共の電波を受信するので無料。放送と連動するウェブサイトなどを閲覧する時にかかる)など、携帯電話においてパケット通信を利用する機能が増加、その通信量も増えている。パケット通信代は「通信時間」ではなくて「通信量」で料金が決まるため、例えば同じ1分間の通信利用でも、テキストメッセージの受信よりは音楽や映像などのマルチメディア系のデータを使っている場合、それこそ言葉どおり「ケタ違い」の料金が必要になる場合もある。
特に近年では動画を使ったコンテンツやメールのやりとり、ゲームのデータダウンロード(ゲームプレイ中にデータを逐次通信で更新するタイプ)で、多くのパケット量を使用する場合がある。結果として、通信「料」も高額なものになってしまう。
→単なる「パケホーダイ」では
定額制対象外
・パソコンの
データ通信機器として使用
→定額制は対象外
(一部会社・サービス除く)
また、料金体系の複雑さも「気が付いたらパケット料金が高額になっていた」というケースの出現に拍車をかけている。例えば【NTTドコモ(9437)】のFOMA端末で、パソコン向けサイトを自在に閲覧できる「フルブラウザ機能」を用いる場合、通常の定額制サービス「パケホーダイ」では定額の対象外で従量課金されてしまう。この場合、「パケホーダイフル」のサービスを受けていなければならないのだが(【パケ・ホーダイフル】)、それに気が付かずにフルブラウザを使い倒し、料金請求でもんぞり返るというものだ。
他にも携帯電話を外部接続モデム・無線LANアダプタのように使用し、主にノートパソコンでインターネットにつなぐ「データ通信機器」として使用した場合も、一般的には定額制が適用されない。こちらも「定額制だからパソコンにつなげてネットアクセスしても定額だよね」とタカをくくっていると、ケタ違いの請求書と「未知との遭遇」を果たすことになる。
国民生活センター調べでは、携帯電話のパケット通信に関する相談件数は、2002年度は139件に過ぎなかったが03年度は607件と急増。年々増加し、06年度も881件に達したという。まだ社会問題化するまでには至っていないものの、今後パケットを多用するサービスがますます増えることを考えると、無視できない増加量ではある。
「通信の料金が思いもかけない高額になった」という話を聞くと、パソコン通信(インターネット普及以前の、パソコンを使った通信ネットワークの仕組み。電話回線でホスト局に電話をかけて接続していた)で学生などが夢中になり、月10万円単位の電話料金を請求されるような事例が続発し、一部で社会問題化したことが思い起こされる。当時のパソコン通信と比べれば、携帯電話の普及率や利用者の年齢層の幅は段違い。今後似たような「通信料が高額すぎて支払えない」「親に怒られた」などのケースがさらに増加することだろう。
子ども向け携帯電話の一部で採用されているような「月ごとに一定料金を突破すると自動的にロックがかかる」ような仕組みや、毎月の請求・振り落とし時期ではなく逐次パケット料金や電話料金の現在使用料・今月の今までの使用料などが分かる機能を必要とする時期なのかもしれない。
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