私生活に配慮した会社なら仕事の満足感も働く意欲もグングン高まる

2007年09月02日 12:00

時節イメージ【厚生労働省】が8月3日に発表した2007年度版「労働経済白書」(労働経済の分析)によると、仕事と私生活のバランスのとれたシステムを企業が提供できるかどうかによって、従業員の仕事への満足感や就業意欲に大きな差が生じることが明らかになった(【白書完全版】)。同じ仕事を企業側が課しても、普段の環境整備次第で従業員側のやる気や満足感に差が出ることを意味している。

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今件は第2章「人材マネジメントの動向と勤労者生活」内の第3節「働き方の変化と勤労者生活」の部分に該当する話となるが、先の【私生活を充実させてやる気を高める制度は必要。でも企業側は「負担重」として及び腰】とも大きく連動している。先の記事では「仕事と私生活の調和を取る仕組みを作るのが大切なことは企業も従業員も承知しているが、企業は負担が大きいので及び腰」という結果を紹介した。では具体的に「仕事と私生活の調和が取れている」かどうかで、仕事への満足感や就業意欲(働きたい、と思う気持ち)にどのような違いが生じるのかを示したのが次の表。

仕事の満足感
仕事の満足感
就業意欲の高まり
就業意欲の高まり

「仕事の満足感」「就業意欲の高まり」の両観点において、従業員が常日頃から「調和が取れている」という環境下で働いている方が、より高い値を示しているのがわかる。特に「仕事の満足感」については著しく向上しているのが分かる。


企業に負担をかけるとされている「仕事と私生活の調和を取る仕組み」であるが、従業員に向けた環境整備を行なうことで、仕事への満足感・就業意欲が向上するというメリットも生じることが分かる。これらの要素は具体的・即時に数字として現れるものではないため、企業側は首を縦にふりにくい。

しかし「仕事への満足感・就業意欲」がもたらす、従業員の離職率や生産効率の変化など、中長期的な戦略で考えれば、「仕事と私生活の調和を取る仕組みの積極的導入」がプラスになることすれ、マイナスになることは無いというのが分かる。導入が企業にとって「負担が大きい」のは事実だが、それと同レベル、あるいはそれ以上の見返りを企業にもたらすことは間違いあるまい。

白書でもこれらのデータを元に「それぞれの労使関係の中でさらなる検討を深め、企業と従業員の利害を一致させることのできる働き方を真剣に考えていくことが望まれる」とまとめている。特定の仕事や報酬で一時的に従業員の「忠誠心」や生活環境を持ち上げるのではなく、常日頃から「働きやすい環境」を整備することが重要であるといえよう。

つまり一言でまとめれば、今記事のタイトル通り「私生活に配慮した会社なら、仕事の満足感も働く意欲もグングン高まる」という結論に落ち着く。考え直してみれば、ごく当たり前のこと。だがそれすら満足に出来ていない、あるいは事実であることを知っていながら(数値化されていないため)背を向けているのが現状なのだろう。


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(最終更新:2013/08/19)

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