名前・メアド・歳……入力画面、どこまでならOK?

2007年09月20日 12:30

先日パソコン・携帯電話両方経由で読者からの各種データを受け付けるページ(俗にいう「入力フォーム」)について考える必要性が出てきた。その際に気になったのは「どこまで入力項目を作ればよいのか」という問題。そのフォームを設置する場所の性質にもよるが、新聞社のアンケートのように最初から数十項目も入力させられたのではハードルが高すぎる。しかしメールアドレスだけでは管理上不便なことも多い。どの程度の項目数が無難なのか調べていると、二つほど関連する調査結果が見つかったのでここで取り上げてみることにする。

スポンサードリンク

パソコンでは「一発で個人が特定されない」ことが重要

一つ目はパソコン経由フォームの話。【webマーケティングガイド】のインターネット上のセキュリティ問題に関する調査の中で、「Webサイトへ入力するのに抵抗を感じる情報」という問いへの回答。調査対象は500名。その他属性はリンク元を参照のこと。

Webサイトへ入力するのに抵抗を感じる情報は
Webサイトへ入力するのに抵抗を感じる情報は

サイト・フォームを創る側からすれば、抵抗を感じにくい項目から、自分のニーズにあったものを選んで組み合わせていけばハードルの低いフォームが出来上がることになる。もちろん最初から「片っ端から入力させてしまえ」というものを創ると、入力項目そのものが多くなってやはり敬遠されてしまうので注意が必要。

調査結果を見ると、「個人を一発で特定されてしまう項目は好まれない傾向にある」ことが分かる。入力先が一部上場の大企業でも営業電話リストに載せられてしまうかもしれない。ましてや、よく分からない個人のサイトなら不安はさく裂する。自分自身の立場で考えてみれば、よく分からない個人サイトの入力フォームでいきなり電話番号や住所、携帯電話の番号を入力することなどありえない。

パソコンなら
「メールアドレス」までOK
(少々無理して「名前」)

しかし不特定多数のデータ取得をして傾向を分析するリサーチのためにならともかく、それぞれ個別にサポートをしたり、プレゼントをするなど、入力した相手をしっかり見極める必要がある場合には「趣味」「業種」「職業」を聞いてもあまり意味がない。データを受けた側が返事を行なえるためには、最低でもメールアドレスが必要だ。そう考えると、「パソコンのメールアドレス」、ややハードルが高くなって「携帯電話のメールアドレス」までを入力させるのが無難ということになるだろう(入力希望者の数が少なくなるのを覚悟すれば名前まで、も含められるかもしれない)。

パソコンのメールアドレスは捨てアド(半ば放置できる、いつでも切り捨てられるメールアドレス)を使うこともできる。携帯電話の場合はすぐに自由に切り替えられるし、フィルタ機能も充実している。これらの対策があるから、名前や電話番号はちゅうちょするものの、メールアドレスならOKと考えるに違いない。データを受けた側は入力されたメールアドレスあてにサポートの内容を送り返したり、さらに必要な詳しい情報を問い合わせればよいことになる。

携帯電話では「名前」「生年月日」「メアド」まで

もう一つは携帯電話経由の場合。こちらも【Webマーケティングガイド】からのもので、「プレゼントキャンペーンの際に」という特殊状況下での話だが、個人データを入力して相手に送るという観点では同じ。こちらは300人のモバイルユーザーを対象としたもの。詳しい属性はリンク先参照。

「非常に」魅力的なキャンペーンの場合、どこまでなら入力してもOK?
「非常に」魅力的なキャンペーンの場合、どこまでなら入力してもOK?

「非常に」魅力的、という前提条件があるが、元々個別個体が特定されている携帯電話からの応募という事情もあり、パソコンの時と比べると状況が異なっているのが分かる。名前は全然問題がなく、生年月日や携帯のメールアドレスも大歓迎。住所あたりからやや抵抗を感じる、と読み取ればよいだろうか。パソコンの時と同様、「多人数の中の一人」に埋もれることが多い「職種」「趣味」「業種」などのハードルが比較的低いのも目に留まる。

携帯電話では
「名前」「生年月日」
「携帯メアド」までOK。

管理側は名前が特定されれば「不破さん、今日の調子はいかがですか」という形で相手を特定したメールを贈ることができる。機械仕掛けだと分かっていても、受け取った方は「お客様、今日の調子はいかがですか」というメッセージより気持ちが良くなるに違いない。

ある程度属性も分かっていればさらにメッセージの内容を絞り込み、「あなただけの」を強調し、相手に強い印象を与えることができる。年賀状を贈る時、全部印刷に任せるより一言でも手書きで相手ごとのメッセージを書いた方がはるかに印象が深いのと同じ理屈だ。


極端な話、プレゼント企画なら「メールアドレス」だけで事は足りる。さらに「名前」さえ聞ければ御の字。当選者に「当選のお知らせ」のメールを送り、さらにサイトで当選者の発表をすれば、相手は喜んで管理側が求める追加情報を送ってくれる。

他の状況、例えばオーダーメイドの文房具の注文のように「多少入力項目が多くても入力しなければいけない」時には、それぞれ必要な項目だけを聞けばよい。それなりにハードルは高くなるが、そのハードルを飛び越えてでも入力しなければならない必要性が入力側にはあるからだ。逆に不必要なことまで聞くと嫌がられる。この文房具の例なら「年収」や「趣味」まで聞かれたら、相手は「なんで文房具の注文に趣味まで聞かれなければならないんだ」と不愉快に思うことだろう。

ハードルはできるだけ低くして多くの人を呼び集めたいが、「メールアドレス」だけでは事足りない場合もある。たとえば不特定多数の人に送る目的でメールマガジンサービスを始めるなら、最近のメール配信サービス(ツール)に個別名を組み込んだテキストを送れる機能があることから、「メールアドレス」と連結する(そのメールアドレスの持ち主の)「名前」も取得できることが望ましい。

携帯もパソコンも、それぞれのハードの特徴や質問したい状況をよく見極め、不足・過分のないよう、そしてもちろん入力しやすいフォームで入力ページを創らねばならないといえよう。

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ