「郵便局の民営化」で何が変わる? (5)手数料
2007年09月23日 18:00
カウントダウン状態に入った「郵政民営化」。具体的な項目もあらかた終え、気になる手数料などの値下げ・値上げについて。全部を網羅するのは不可能なので、ここでは郵貯と郵便部門で気になるものをいくつかあげてみることにする。
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●代金引換サービスにおける印紙代の徴収
代金引換サービスを用いる際、引換金受領書に印紙が必要になるため印紙税額相当分の印紙代を、依頼側(差出人)が負担することになる。要は値上げ。具体的には次の通り。
・引換金額-消費税額
3万円未満……ゼロ
3万円以上100万円以下……200円
100万円超……400円
●送金手数料変更
送金手数料の料金体系が3段階から2段階に簡略化される。
◆普通為替
・3万円未満……420円
・3万円以上……630円
(現行は1万円以下100円、10万円以下200円、100万円以下400円)
◆通常払込
・3万円未満……120円
・3万円以上……330円
(現行は1万円以下100円、10万円以下150円、100万円以下250円)
◆電信払込
・3万円未満……525円
・3万円以上……735円
(現行は1万円以下210円、10万円以下340円、100万円以下600円)
ちょっと計算をすれば分かるが、ほとんどの利用状況において値上げとなる。特に低額の振込みにおいての値上げ幅が大きい。
●定額小為替の発行手数料
小規模の金額を相手に送る際、現金書留や振込みでなく、郵便で安価に送れる便利な手段として用いられていた「定額小為替」。額面は50円に始まり1000円までのものがある。受け取り側は額面そのままを手数料ナシに現金として受け取れる、便利な小切手みたいなものと思えば良い。
同人誌やネットオークションの支払手段として多用されていたが、今回の民営化で恐らく大打撃を受けることになる。
◆定額小為替手数料
・1枚……100円
(現行は1枚10円)
一挙に手数料が10倍に跳ね上がる。一方、普通為替の方も以下のように簡略化され、主に少額利用には痛手となる料金体系に変更される。
◆普通為替
・3万円未満……420円
・3万円以上……630円
(現行は1万円まで100円、10万円まで200円、100万円まで400円)
これまで定額小為替を利用した場合、少額の支払なら数十円+郵送費(80円)で済んでいたものが、数百円とかなりかさ上げされてしまう。販売する側も料金設定に苦慮するだろうし、購入側も手数料の高さにちゅうちょするに違いない。
あるいは「デジタル化促進の世の中ですから、電子マネーなり振込みなりをご利用下さい」という日本郵政株式会社側のアドバイスが形を変えているだけなのだろうか。
ちなみに民営化前に発行された定額小為替は民営化後も使えるが、権利消滅期間はこれまで通りであるし、民営化後は再発行による期間延長のワザは使えない。将来に備えて今から大量に定額小為替を購入しても、残念ながらあまり意味はない。
料金部分だけを抽出して見ると、民営化ということもあるからだろうか、かなりの分野で(しかも少額利用者に対して負担が増える形で)値上げが行なわれていることがわかる。なお今回列挙した以外にもさまざまな分野で料金体系が変更されているので、詳しくはもよりの郵便局や関連サイトでご確認を。
■一連の記事:「郵便局の民営化」で何が変わる?
【(1)そもそも郵政民営化とは】
【(2)簡易保険分野】
【(3)郵便貯金分野】
【(4)郵便分野】
【(5)手数料】
【(6)あと一週間で出来ること】
【(番外編)「貯金」と「預金」】
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