「物価上昇を実感」約8割、節約による家計防衛は過半数へ

2007年09月15日 12:00

時節イメージgooリサーチポータルは9月14日、生活用品の値上がりに関する調査結果を発表した。それによると、昨今において生活用品の値上がりを実感している人は8割近い78%に達していることが明らかになった。また値上がりに対して節約で対抗している人も過半数を超え、消費(≒内需)縮小や消費モチベーションの低迷に拍車をかける一因にもなっている(【発表リリース】)。

スポンサードリンク

同調査は読売新聞とgooリサーチが8月中旬に行い、1088人が回答。回答者属性は未公開のため、あくまでも一般論のレベルで結果発表を見る必要があるだろう。

まず二者択一で「最近物価が上がっているか」という質問をしたところ、8割近い78%が「物価が上がっている実感がある」と回答した。さらに複数回答で具体的な商品について値上がり感のある商品・サービスを答えてもらったところ、レギュラーガソリンやトイレット・ティッシュペーハーなど、利用頻度の高い生活必需品が上位を連ねた。

値上がり感のある商品・サービス
値上がり感のある商品・サービス

原油価格の高騰に端を発するガソリン、そしてそれに連動する形で値上げが相次いでいる衛生消費系の紙製品、さらには人によっては消費頻度の高い100%果汁飲料・マヨネーズが多くの人に「値が上がっている」と感じさせている。

昨今の物価上昇の要因として考えられるのは「原油高騰」「バイオエタノール関連で食料原材料の高騰」の2点があるが、このポイントとの関連性が強い、しかも身近な生活に密接に関係するものほど、値上がり感がある(そして実際に値上がりしている)ものと思われる。

生活必需品の値上がりで家計に影響がないわけはなく、何らかの対処をしなければ首が回らなくなる。選択肢の一つとして「収入を増やす」もあるが、こればかりは本人が努力してもどうにもならない面が大きい。そこですぐにでも実践できる防衛策「買い控え・節約」について、「値上がりが家計に影響がある」と考えている人に質問したところ、半数以上が「すでに実施している」あるいは「今後するつもり」と答えた。

生活必需品の値上げで「買い控え・節約」などの防衛策をとりますか
生活必需品の値上げで「買い控え・節約」などの防衛策をとりますか

リリースでは「家計の防衛意識も強まりつつある」と結論づけているが、表からは逆に「4割以上が買い控え・防衛策をしていない」とも読み取れる。これが上記の「収入を増やす」というポジティブな考えで対応している人たちを指すのか、それともそこまで深い考えはないのか、あるいは防衛策を考えるほどの影響を実感していないのかは分からない。

とはいえ、当サイトでも何度と無くお伝えしているように、「原油高騰」「バイオエタノール関連で食料原材料の高騰」を主要因とし、身近な商品の値上げ(しかも大抵が1割前後という大幅なもの)が目に留まるようになった。あるいは価格は同じでボリュームを減らしたり、言葉通り「水増し」して原材料費の節約が目にもあきらかなものが増えている。

原因が原因であるだけにこれらの「一斉値上げ」の傾向は今後も続くであろうし、消費者のフトコロを直撃し続けることも間違いない。節約そのものは素晴らしいこと。だが、これが消費モチベーションそのものを低迷させて、ひいては内需の縮小に輪をかけるようでは、色々と困る事態が起きてしまう(もちろん「消費は美徳」という前世紀モノな主張をするわけでもない)。やはり解決策としては企業側に「収入を増やす」ような施政を期待するしかないのだろう。

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ