吉野家が郊外店を中心に「家族向け」の店を展開へ・計600店舗を計画
2007年09月22日 12:00
【日経新聞】などが伝えるところによると【吉野家(9861)】は郊外の店舗を中心に、2人~8人が同時に座れるテーブル席を中心にした「家族向け店舗」への切り替えを行なう。3年程度をめどに100億円強を投資し、約600店舗をこのタイプにする。カウンター席も一部残すが、ミニサイズの丼メニューを用意するなど家族向けに対応した仕組みも凝らす。なお今件は吉野家自身からはリリースなどの形で発表されていない。
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元記事によると今回の一部店舗の「家族向け」への切り替えは、従来の男性中心の客層をターゲットにした店舗展開のみでは、企業全体としての成長に限界があると判断してのもの。「家族向け」店舗の導入をきっかけに、家族連れや高齢者など、既存店舗では近寄りがたかった層も呼び込むきっかけとする。
よく知られているように「吉野家」では店員が移動しやすく商品をすぐにお客に手渡せるよう、カウンターをUの字にした席を設けている。「家族向け」新型店舗では一部にカウンター席を残すものの、2~8人程度が同時にに座れるテーブルを配し、複数客が1グループで座れるようにする。イメージとしては喫茶店かファストフードのようなスタイルだろうか。さらにメニューでも、子どもや女性客でも残さず食べられるよう、ミニサイズの丼も用意するという。
「すぐに食べてすぐに席を離れる」、つまり(客単価は安いが)お客の回転率が極めて高い従来店舗と比べ、新型店舗ではお客の滞在時間が長くなる=回転率が悪くなることが懸念される。しかし5月に試験導入された新型店舗では、来客数・売り上げともに1割前後の伸びが計測できたとのこと。これは元々その店舗の商用エリアにおける客層が、既存店舗のターゲットとなる「独身男性」「自炊をしない男性」ではなく「女性」「家族層」が多く、うまくその地域のニーズに応えたからだと思われる。
吉野家の牛丼をはじめとする各種メニューでは、働き盛りの男性からは大盛りや特盛りのニーズが多い一方、「並み盛でも量が多く余ってしまうのて少なめのものがほしい」といったニーズもある。今回本格展開が決まったとされる「新型店舗」が果たして思惑通りに地域の要望に応えたものとなるのか、これが成功すれば他の類似他業者も追随すると思われることもあわせ、今後の展開に注目したいところだ。
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