風邪を引くと4万4千円も損をする!? 働き人の風邪に関する意識調査結果発表
2007年09月26日 08:00
グラクソ・スミスクラインは9月25日、現代人の風邪についての意識を分析、解析するウェブサイト【コンタック総合研究所】内で「ビジネスパーソンの風邪に関する意識調査」を発表した。それによると風邪を引くことで働いている人が受ける生産性上の損失は風邪1回あたり約4万4270円であることが明らかになった。誰にでもかかる可能性のある、そして大抵は入院せずとも治るからと軽視されがちな風邪だが、想像以上に大きな損失を与えていることになる(【発表リリース】)。
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今調査は8月15日から16日、20歳から39歳の、現在仕事をしている男女208人に対してインターネット上で行なったもの。男女比は1対1。標本母数がやや少なめのため、実際の世情とは多分にずれが生じている可能性があることを考慮して調査結果を読み解く必要がある。
調査結果には風邪に関する興味深いデータがいくつも提示されているが、ここでは風邪による損失をはじめ、気になる項目をいくつかピックアップしてみることにする。
●風邪が長引くのは「寝不足」と「体力不足」
もし風邪にかかってしまっても、できればすぐに回復したいもの。しかし実際にはなかなか体調が元に戻らないことも多い。風邪が長引く原因は何かと自己分析させたところ、「睡眠不足」と答えた人がもっとも多く、7割強を占めていた。
風邪が長引く原因
寝不足単体で風邪を引くというのではなく、寝不足からくる体力のおとろえ、ストレスなど、複合的な要因を産み出す原因として睡眠不足を挙げているのだろう。上位の「寝不足」「体力の衰え」「日頃のストレス」「食生活の乱れ」などを見ると、日頃の生活習慣の悪さが風邪を引きやすくさせているものと推測される。逆にいえば、これらの点を改善することで風邪を引きにくく、健康的な身体が得られると考えてもよい……が、実際にはなかなか難しいところ。
なお図表にはないが、30代に限ると68.3%が「体力の衰え」、60.6%が「日頃のストレス」と答え、全体値よりも高い結果が出ている。体力減少と社会的重圧が増える30代では、風邪にかかりやすく、長引く可能性が高くなるようだ。
●風邪を引いても休みにくい、代わりに仕事をしてくれる人がいないから……
風邪を引いたらできればお休みして身体を休ませ早く治したいもの。しかしそれがなかなかできないのがビジネス・パーソンの辛いところ。実際に風邪を引いた時に休みづらいとこたえた人は全体の7割近くを占めていた。
風邪が引いた時に休みをとりやすい?
ではなぜ「風邪を引いても休めない」のか。その理由を尋ねたところ、実に7割以上が「代わりに仕事をしてくれる人がいないから」と回答している。
◆風邪を引いても休めない・休みづらい理由は?(複数回答)
・代わりに仕事をしてくれる人がいない……75.1%
・欠席できない重要な予定がある……35.3%
・仕事をためて休み明けに苦労したくない……26.6%
・上司や同僚の理解が得られない……19.7%
・有給休暇がなくなる……9.8%
・わからない……1.7%
・その他……3.5%
一人一人の仕事場における重要性が増しているのか、それとも仕事の環境でスケジュール上の柔軟性が失われつつあるのかは不明だが、何かあった時の代替要員がいないのは、ある意味大きなリスクをその企業は抱えていることになる。風邪なら無理をすれば……という思いがあるかもしれないが、これが重病や事故の場合は、休まねばならないからだ。社員に「代わりに仕事をしてくれる人がいない」と思わせてしまうような職場環境は、見直しをする面があるのかもしれない。
●風邪による生産性の低下で発生する損失は平均4万4270円
風邪による休み、あるいは生産性の低下で、どれくらいの損失が発生することになるのだろうか。自分自身でその金額を答えてもらったところ、平均額は4万4270円となった。
風邪による生産性の低下を金額に直すと……
男女別に見ると、男性平均は5万6400円、女性は3万2100円と、やや女性の方が低い結果が出ている。また、風邪を引いても生産性上の損失はないと答えるツワモノも10%強いた。これが「風邪を引いても気合と精神力でバリバリ仕事を続ける」を意味しているのか「どのみち自分の仕事は風邪を引いていようがいまいがこなせる簡単なもの」と考えた上での回答なのかは分からない。
別項目の回答では風邪をひいてから治るまでの平均日数は5.4日、3~5日の域がもっとも多く、次いで7日という回答が目立つ。仕事を休むかどうかは別としても、一度風邪の症状を得てしまうと一週間ほどは付き合わされることになるとみればよいだろう。この日数を見ても、「損失平均4万4270円」という値があながちオーバーではないことが分かる。
風邪は引かないのが一番。調査項目にある「睡眠」「ストレス」「体力」の項目に気を配りながら、例えば雨の中でも急いでいるからと傘もささずに走りずぶぬれとなり、ろくに身体も拭かないというような無茶をするのを避け、自分自身の身体をいたわる生活習慣を身につけるようにしよう。
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