もっとも「当たるかも」と思う確率は1/100!?

2007年09月10日 06:30

モバイルイメージ【Webマーケティングガイド】は9月7日、モバイルユーザーに対して行なったプレゼントキャンペーンに関する調査結果を発表した。それによると「1万円相当が抽選で100名に当たる」というパターンのものがもっとも魅力的に映るという結果が出た。その一方、例え少額でも全員に当選する「全員100円プレゼント」にも1/4がベストと答えるなど、モバイルサイトの奥深さがうかがえる調査結果となっている。

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今調査は8月30日から9月4日、20歳から59歳の男女300人に対して行なわれたもので、男女比は1対1。年齢層比は20代31.7%、30代37.4%、40代26.4%、50代4.6%とやや若め。キャリア比はDoCoMo:57.3%、au:30.0%、SoftBank:12.7%。

現金・またそれ相当のプレゼントについて次の4パターンを提示し、どのパターンが「もっともモバイルサイトのキャンペーンに応募したいか」という質問をした。

・100円相当の現金、ポイントを応募者全員に
・1000円相当の現金、ポイントを抽選で1000名に
・1万円相当の現金、ポイントを抽選で100名に
・100万円相当の現金、ポイントを抽選で1名に


一番上の選択肢では「全員」であるが、応募総者を1万人と仮定すれば、すべてのパターンで「予算総額は100万円」という設定なのだろう。

調査の結果「1万円相当の現金、ポイントが100名に」を選んだ人がもっとも多く、4割近くとなった。

列挙した選択肢のキャンペーンの場合、どれが一番魅力的か
列挙した選択肢のキャンペーンの場合、どれが一番魅力的か

一般のマーケティングにおいては同様の設問があった場合、「適度にプレゼントをばらまくよりも、プレゼント額を高めに設定。外れる人にも『夢と期待をプレゼントする』」というのが常識となっている。

例えば某家電量販店でも「100人に一人、タダ!」というコピーのキャンペーンが常日頃から行なわれている。確かに「もしかしたら自分が当たるかも」とドキドキしながらレジで会計を待つものだ。これが「全員に100円引き」となれば、少々のお得感を得られるかもしれないが、わざわざ足を運ぶ魅力は感じられない。同じ予算を使うのなら、「少数に高額」というのが基本。

ところが今回の調査結果の場合、「一人に高額をプレゼント」より、「それなりの人数にそれなりの額をプレゼント」の方が支持率が高いという結果が出た。さらに「安価でも全員にプレゼント」を選ぶ人も1/4に達するという、興味深い値が出ている。

キャンペーンは適度な現実度が必要
→「100人に1人」がもっとも魅力的な割合!?

この結果は色々な解釈をすることができる。まず前者は「あまりにもリアリティの無い当選確率よりは、それなりに当たりそうでそれなりな高額の方が現実感と魅力がある」ということなのだろう。「参加者は1万人」と想定しているようなので「当選確率が0.01%? 当たるワケないじゃん」と考えるのがオチ。

ならば「1%の確率で1万円の方が現実味がある」と考えるのも道理が行く。100人に一人なら、「もしかしたら」という範囲に思えるからだ。先の「某家電量販店のキャンペーン」もまさにこの確率であり、その設定の巧みさを改めて知ることができる(選択肢に「10万円を10名」があればもっと確実な裏づけが取れたのだが……)。

モバイルキャンペーンでは
簡単に挑戦できるのがミソ
→かける手間が少ないから
少額でも当選確率が高ければ
応募したくなる

一方「安価でも全員にプレゼント」を選ぶ人も多いという結果はどうとらえるべきだろうか。元レポートでは「ユーザーはプレゼントの内容だけでなく、プレゼントに当選するという事象自体に魅力を感じている」と結論付けている。これも一理ある。しかし、全員当選ということはその時点で「抽選結果による当選」ではなく、単なる割引・プレゼントとなってしまい、「当たったことへの魅力」は無くなってしまう。

むしろこれは「すぐに実行できるモバイルキャンペーンだからこその特徴」と見るべきだろう。先の「わざわざお店にまで足を運ばねばならないキャンペーン」では、100円程度で来訪するという労力は割に合わないと考える人が多数に及ぶ。ところが今回の調査対象である「モバイルサイトのプレゼントキャンペーン」では労力をほとんど必要としない。手元の携帯電話から何回かボタンを押すだけで応募できる。お手軽に現金(かその相当品)が確実に手に入るのなら、例え少額でも興味はある、ということなのだろう。


モバイルキャンペーンでの当選確率や商品の設定では、通常の店舗キャンペーンの常識が当てはまる部分がある一方、「モバイル」ならではの特性も考慮する必要がある。「手元にいつも置いてあって、すぐに参加できる」ことがどのような行動心理の傾向を産み出すのか、今後マーケティングの分野においてさらに検討と考察が重ねられることだろう。

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