ロータリーエンジンやYS11、初代新幹線など25件が「機械遺産」に認定
2007年08月09日 08:00
日本機械学会は8月7日、専用のサイトを開設すると共に、日本の歴史的機械技術を代表する「機械遺産」を認定、その25件を公表した。新幹線の初号機車両や戦後初の国産旅客機YS11型などが認定されている(【関連サイト】)。
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この「機械遺産」プロジェクトは、日本機械学会そのものが2007年6月に創立110周年を迎え、その記念事業の一つとして始まった。歴史に残る機械技術関連遺産を大切に保存し、文化的遺産として次世代に伝えることを目的としたもの。具体的には歴史的背景1件、象徴的建物が1件、保存収集された機械が21件、関連文書が2件となっている。
●背景
・小菅修船場跡の曳揚げ装置
●場所
・熊本大学の旧機械実験工場と文化財工作機械群
●機械
・足踏旋盤《明治8(1875)年伊藤嘉平治作》
・陸用蒸気タービン
・A型ロータリエンジン
・ホンダCVCCエンジン
・民間航空機用FJR710ジェットエンジン
・ヤンマー小形横形水冷ディーゼルエンジンHB形
・ゐのくち式渦巻きポンプ
・高周波発電機
・東海道新幹線0系電動客車
・230形233号タンク式蒸気機関車
・旅客機YS11
・カブ号F型(ホンダ自転車用補助エンジン)
・麦わら帽子製造用環縫ミシン
・無停止杼換式豊田自動織機(G型)第1号機
・活版印刷機
・コマツブルドーザーG40(小松1型均土機)
・オリンパスガストロカメラGT-I
・バックトン万能試験機
・万能製図機械MUTOH『ドラフターMH-Ⅰ』
・万年自鳴鐘
・「旧筑後川橋梁」(筑後川昇開橋)
●文書
・機械学会黎明期の学術図書(機械学会誌創刊号、機械工学術語集及び機械工学便覧)
・東京帝国大学水力学及び水力機講義ノート(真野文二/井口在屋教授)
戦後初の国産旅客機YS11型機や初代新幹線車両0系、民間では初となる量産型蒸気機関車230形233号タンク式蒸気機関車、バイク市場を形成したカブことカブ号F型など、それぞれがNHKの「プロジェクトX」に登場しそうな(一部はすでにしている)ものばかり。
同協会では今後も毎年継続して認定を行なうとしている。また来年度分については一般からも対象機械などの推薦も受け付けている。
「機械遺産」に認定されても小冊子に掲載されて認定証・感謝状が提供される程度で、例えば国から保存補助金が出たり法的に保護されるわけではない。しかし少なくとも「箔」はつくし、それらの機械を管理保全しているグループ・企業にとっても誇りになることには違いない。機械を大切にしようという気概も芽生えるだろうし、管理状態もより改善されると思われる。
今後どのような機械があらたに認定されるのか、気になるところだ。
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