「転職したい」理由・トップは「上司との人間関係」

2007年08月30日 08:00

時節イメージ検索エンジンgooにおいて実施されていた【「転職したい」と思ったときの理由ランキング】の結果発表が行われ、第一位には「上司との人間関係がよくないから」がついた。

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今調査は7月20日から24日の間、gooリサーチのモニターに対してアンケートを行い、その結果を集計したもの。集計母数は掲示されていない。

雇用形態の多様化や、仕事に対する「転職を繰り返して自分自身の技術や経歴、年収などをキャリアアップ・ステップアップしていく」という西洋風の考え方が浸透するにつれ、以前と比べて日本でも転職がしやすい環境が整いつつある。転職斡旋・中途採用の場面が増えたり、終身雇用・年功序列制の制度が薄れつつあるのも一因。

先ごろ相次いで厚生労働省などから発表された転職関係の資料、それを元にした当サイトでの記事でもお伝えしているように、転職にもさまざまな事情、そして現実が待ち受けている。今回の調査結果でもその一端をかいま見ることができる。

もっとも多かった理由は「上司との人間関係がよくないから」、次いで「年収アップのため」となり、かなり率を低めて「同僚との人間関係がよくないから」「現在と違う仕事にチャレンジしてみたい」といった理由が続いている。

仕事づとめともなれば一日のうち過半数の時間を過ごすであろう勤務地において、人間関係の悪い、しかも立場的に上の上司と付き合わなければならないのは、まさに「針のムシロ」かもしれない。割り切りや、逆転の発想(自分からその上司を好きになる)を勧める人もいるだろうが、どうしてもダメな時はあるものだ。ましてや自分自身がいくら改善を求めても、相手の出方次第ではどうにもならない場面もあるという、始末の悪い状況も考えられる。


今アンケート結果はあくまでも「転職したい」と思った、であって実際に「転職した理由」ではない。しかしながら会社都合(解任や倒産、定年)でない限り、自発的に転職したいと思わなければ転職へのアクションを起こすこともない。今回のランキングの上位は十分「転職”した”理由」にもなりうる。

しかし8月8日に厚生労働省が発表した【転職者実態調査結果】中の「自己都合」による離職理由と比較してみると、興味深い傾向が見られる。

■gooランキングでの「転職”したい”理由」上位5位
・上司との人間関係がよくないから
・年収アップのため
・同僚との人間関係がよくないから
・現在と違う仕事にチャレンジしてみたいから
・仕事が面白くないから

■転職者実態調査結果での「離職”した”理由」上位5位
・会社の将来に不安を感じた
・満足のいく仕事内容でなかった
・労働条件(賃金以外)がよくなかった
・賃金が低かった
・能力、実績が正当に評価されない


「実際に離職した理由」では「人間関係がうまくいかないから」という項目は上位5位にすら入っていない。もちろん両者の項目は統一されていないので、例えば「上司との人間関係が良くない」ので「能力・実績が正当に評価されない」のような流れで、内容的には同じことを指している可能性もあるなど、一概に対象比較することはできない。

しかしながらおぼろげながらも「転職したいと思うことは何度となくあっても、実際に転職(まずは離職)するまでに至らせる理由は、より切実なものである」傾向がうかがい知れる。このあたりに転職事情の理想と現実をかいま見れるかもしれない。

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