「自分の判断で自由に」「約束事ナシ」放任多数な子ども専用携帯電話

2007年08月29日 06:30

親子で携帯電話イメージ【日経パソコンオンライン】が8月24日に発表した統計データによると、連絡用に持たせた子ども専用の携帯電話に対し、事実上何のしばりも設けない状態にしている親が多数いることが明らかになった。子どもの自主性に任せると受け止めるべきか、放任主義と取るべきか判断が難しい結果といえよう。

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今調査は5月14日から22日までの間に日経BPのウェブサイト上で実施したもので、有効回答数は466人。対象となった子どもの男女比は237対229。また、今記事における対象は、先の【小学校高学年でも携帯電話は4人に1人が持っている】で「携帯電話を(自分の子どもに)持たせた大人」と回答した人が対象。

まず、親が与えた携帯電話を子どもがどのように使っているかという問いに対しては、「子どもが自分の判断で自由に使っている」という回答が最も多かった。

子どもに与えた携帯電話を子どもはどのように使っているか(複数回答)
子どもに与えた携帯電話を子どもはどのように使っているか(複数回答)

調査対象は未就学児から大学生まで年齢は広範囲に及ぶため、一概に「子どもの判断に任せて自由に使わせる」行為に問題があるとは断定できないが、それでも「子どもが自分の判断で自由に使っている」が65%を占めているのは少々放任に過ぎる気もする。また、連絡方法として電話よりメールの方が多いというのも興味深い傾向だ。気恥ずかしさを少しでも和らげるために、メールで連絡をするということなのだろうか。

一方、子どもの所在位置を確かめるためのメールや電話での連絡、緊急時のための保有、さらには最近の一部携帯に装備してあるGPS機能を利用した位置確認なども用いられているが、それぞれの割合はさほど大きくない。

もっとも、高校生や大学生の子どもに対し「学校や塾の帰宅途中に連絡」というのも、多少過保護な感じもある。第一それは子どもの方が嫌がる可能性が高い(女性の場合や帰宅時間が遅い場合はさておき)。恐らくだが、対象を中学生位までに限定すれば「連絡手段としての利用方法」の割合がグンと増加すると思われる。

さらに、買い与えた携帯電話に対し、何らかの決め事を用意しているかという問いに対しては「特に約束ごとはない」と回答する人がもっとも多く、41%を占めた。

子どもが携帯電話を使う上での約束ごとは(複数回答)
子どもが携帯電話を使う上での約束ごとは(複数回答)

【子どものパソコン利用、心配なのは「視力の低下」と「不健全サイトへのアクセス」】でも伝えたとおりパソコンを使う上での約束ごとでも「特に無い」とする回答がもっとも多かったものの、「親がいるときだけ」「決まった用途のみ」「掲示板、チャットの使用禁止」などさまざまな規制を設ける親の姿が多く見受けられた。

しかしながら携帯電話の場合、独自の特徴(「親がいるときだけ」という規制は出来ないなど)を考慮しても「ルールはナシ」の割合が多く、それぞれの規制が少ないように思われる。なお「その他」は料金に関する約束事が多く、例えば「上限を決めている」「小遣いから引いている」「有料サービスは禁止」だったという。


単純計算だが、「子どもが自分の判断で自由に使っている」と「特に約束ごとはない」を掛け合わせると(65%×41%=26.65%)約3割弱の人が子どもの携帯に対し「自分の判断で自由に使わせて約束事は無し」ということになる。大学生や社会人で、しかも自分自身で携帯電話料金を払っているのならそれもアリだろうが、小中学生にもそのような放任主義で携帯電話環境を与えたのでは、多少問題がある気がしてならない。

パソコンの場合はフィルタを利用したり目の前での利用に限定するなど、危ない使われ方を心配する親が多かったが、携帯電話の場合にはそのあたりにおいて多少油断があるのかもしれない。しかし最近では携帯電話も高性能となり、さまざまな問題サイトや手法も登場している以上、パソコン同様に親も目を光らせる必要が生じているといえよう。

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