「船頭一人にお客一人」・『セカンドライフ』の日本企業進出状況
2007年08月23日 08:00
シード・プランニングは8月21日、多人数同時参加型ネッワークコミュニケーションツール【セカンドライフ(Second Life)】に対する日本企業の取り組み状況を調査した報告レポートの発刊と、その概要を発表した。それによると日本企業の『セカンドライフ』進出状況は「実際に参入している企業」とその企業を支援する「参入支援企業」がほぼ同数であることが明らかになった(【発表リリース】)。
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リリースによれば今調査は7月20日までの日本企業での『セカンドライフ』を活用している割合などを調べたもの。調査時点で『セカンドライフ』で活動している団体・会社は85社にのぼることが明らかになった。
『セカンドライフ』で活動する企業の業種
図からもわかるように、「インターネットサービス業」「広告業」「サービス業」の3業種で過半数を占めており、サービス部門と広告部門が『セカンドライフ』の日本企業におけるリーディングカンパニー的役割を果たしていることが分かる。
一方、『セカンドライフ』で活動する企業を「参入企業……自社商品・ブランドを宣伝する」「支援企業……参入企業にコンサルや作業サポート、土地販売を行なう」の二つに大別した場合、実際の「参入企業」は42社、その参入企業を助ける「支援企業」は43社であることが分かった。
『セカンドライフ』が日本語版での始動開始から間もないサービスであるとはいえ、「サポート役」と「利用客」の比率がほぼ一対一では、多少バランス感に欠けるように見える。
リリースでは「『セカンドライフ』は出来ることが多すぎる。また、操作も複雑。何をしてユーザーを喜ばせビジネスに結びつけるかを総合的にサポートするサービスが必要」と説明している。
記事タイトルではイメージがわきやすいように「船頭一人にお客一人」と表現したが、実際には「船頭(参入企業)一人に教官船頭(支援企業)一人、お客(利用者)が一人」が日本における『セカンドライフ』ビジネスの現状といえるだろう。支援企業数の絶対数が少ない限りにおいてはこのバランスも仕方ないが、お客、つまり『セカンドライフ』利用者が少ない現状ではもうけを出すのは非常に難しい(何しろ「船頭」は一人の「お客」からの儲けで「教官」への支払もまかなわねばならないのだから)。
日本国内で『セカンドライフ』を軌道に乗せるには、早急に「船頭(参入企業)」と「教官船頭(支援企業)」が知恵を出し合い(本来ならその仕事こそ「教官船頭」の為すべきことなのだが)、お客の数を増やす必要があるのだろう。
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