子どものパソコン利用、心配なのは「視力の低下」と「不健全サイトへのアクセス」
2007年08月18日 12:00
【日経パソコンオンライン】が8月16日に発表した統計データによると、自宅にパソコンを使う子どもがいる家庭で、もっとも心配なことがらは「視力の低下」と「不健全なサイトへのアクセス」であることが明らかになった。その一方、子どものパソコン利用時の約束事については、「時間制限」「親の目の前で使用」というルールがある一方、「何も決めていない」とする親も多数存在する結果が出ている。「心配はしているけれど、具体的な手は何も打たない」親が少なからずいることがうかがえる。
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今調査は5月14日から22日までの間に日経BPのウェブサイト上で実施したもので、有効回答数は466人。対象となった子どもの男女比は237対229。今回取り上げたテーマについては「子どもがパソコンを使っている」環境を持つ親に対するものなので、母体数はさらに減り415となっている。さらに今調査結果は「大人(親)から見た子どもの実情」であり、子ども自身の申告ではないため、「真相」と多少のずれが生じている可能性を考慮してデータを見る必要がある。
●子どもがパソコンを使うことで不安なのは「視力の低下」
子どもにパソコンを使わせているが、その上で不安なことは何かと尋ねたところ、「視力の低下」がもっとも多く51%の回答を得た。
子どもがパソコンを使うことで不安なのは
「視力低下」以外には「不健全なサイトへのアクセス」「個人情報漏えいによるトラブル」「ネット上のコミュニケーショントラブル」など、子どもだけでなく大人でも陥りそうなネット上の問題が上位を占めている。
子どもはこれらの問題に対する経験も浅く、対処法も知らない場合が多い。万が一これらの問題に遭遇した場合、対処するすべを知らず、事態が深刻化してしまうことを懸念したが上の回答だろう。
また、「視力の低下」や「対面コミュニケーションの希薄化」「依存症での引きこもり」など、子どもの養育面における観点からの問題点も挙げられる。パソコンは便利な道具には違いないが、それに伴う弊害もあることを、親も認識しているということなのだろう。
●約束事は「時間制限」と「親の監視下」で。「何もしない」親も
それでは実際に、子どもがパソコンを利用する際に親は何か取り決めをしているのだろうか。これについては意見が分かれる結果が出た。
子どもがパソコンを使う上での約束事
夢中になりすぎて他のことをおろそかにしてしまうことがないよう、「時間制限を設けている」という回答がもっとも多く32%。次いで、変なサイトにアクセスしないように「親がいるときだけ使用可能」としている親が29%。個人情報関係から「掲示板・チャットの使用禁止」や「決まった用途でしか使えない」なども多数を占めた。
しかしその一方、「特に約束ごとはない」と回答した親も4割近い38%を占めている。今質問は複数回答だが、「約束事」そのものは重複する可能性はあっても、「無い」と「(具体的に何かが)ある」と重なることはありえないので、この4割近い回答は純粋に「約束事はない」と判断することができる。これが「あらかじめフィルタソフトを使わせているから、約束事を守らせる必要は無い」なのか、「日頃からパソコンについての使い方を話し合っているので、その上で自主判断に任せる」なのか、それとも「放任・無警戒」なのかは分からない。アンケートの文意からすると最後者の割合が多い気もするが、もしそうだとしたらやはり問題だろう。
現在発売、提供されているフィルタソフトは、精度の面でまだ完璧ではないものの、かなり使い出のある成果を導き出せる域に到達している。どのように指導したらよいのか分からないという親も、せめてフィルタリングソフトを用い、子どものパソコン利用に注意してみてはいかがだろうか。
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(最終更新:2013/08/19)
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