今調査はビジネスマンへは首都圏在住のパート・アルバイトを含めた「仕事を持っている人」519人、六本木ライブラリー会員659人それぞれ別に行なったもの。後者はアカデミーヒルズ内にあるハイソな会員制ライブラリーで、(導き出されたデータも)あまり一般性はないため、今回は省略する。

●「人生を豊かだと感じている」41.4％

現在人生を「豊かに感じる」人(非常に豊かだと感じる、やや感じるをあわせた人数)は41.4％と4割強を占めている。

「自分の人生を豊かだと感じますか」

世代別にみると20歳～34歳の若年層、60歳以降のシニア層が「豊かだと感じる」傾向が強いことや、シニア層になると「豊かだと感じる」傾向と共に「豊かだとは思わない」傾向も強まり二極化の様相を呈していることが分かる。

また、35歳～59歳のミドル層では「豊かだと感じる」割合が少ないが、先の厚生労働省が発表した「労働経済白書」(労働経済の分析)によればこの層における労働時間の超過と健康状態の悪化が懸念されており、「働きすぎ」がミドル層の「豊かさを減らしている」可能性を示唆しているともいえる。

●人脈作りをしている人は8割が「人生は豊かだ」と感じている

会社や学校など、自分の所属している組織以外で人脈作りをしているかどうかという問いには、「積極的にしている」が9.2％、「機会があれば」が47.6％という結果が出ており、6割近くのビジネスマンが仕事場・学校以外の「外の世界」で人脈作りをしている結果になった。

この「人脈作り」と「人生の豊かさ」の問いを合わせて集計してみると、意外にも「人脈作りを積極的にしている」人の約8割が「人生を豊かに感じる」という答えを出していることが明らかになっている。

「自分の人生を豊かだと感じますか」(自分の所属組織以外で人脈作りをしているか否かの問いと合わせて)

「機会があれば」という人も5割近くが「豊かだ」と感じており、この2つの層が平均を押し上げる結果が出ている。仕事の幅を広げるため、教養を充足させるため、暇つぶし、スキルアップ、人生の転機のチャンスを探すためなど、「人脈作り」の理由は人それぞれではあろうが、その行為が本人の「豊かさ」体感度合にプラスに働いていることは間違いあるまい。あるいは、「人脈作りをしたい」と考えるプラス思考をしている時点で、すでに「豊かさ」を感じているのかもしれない。

それでは「人生を豊かに感じる」ためにもっとも大切な時間はどのような時なのか。その問いには「趣味や教養を身につける時間」と答えた人が23.5％ともっとも多かった。

人生を豊かにするためにもっとも大切な時間は

第二位以降の「結婚相手や恋人と過ごす」「子どもや孫と過ごす」「一人でのんびり過ごす時間」などは既存の環境における時間の過ごし方であり、現状維持・改善による時間といえる。

第一位の「趣味や教養を身につける時間」は自分ひとり、あるいは既存の生活環境内でも不可能ではないが、むしろ外部と接触して刺激を受けた方が効率が良い。「人脈作り」とも深い関係があるといえよう。また順位は下がるが「サークルなどで様々な人と接する」も、人脈作りに関わりあいが深い行動といえるだろう。

後半部分のアンケート結果からは「趣味や教養を積極的に身につけたい」「積極的に外に出よう」「人脈作りも出来るぞ」「スキルアップもしたし新たな人脈もできたし、幸せだなあ」というポジティブなスパイラル構造が推定できる。

人脈作りをすることは、自分の世界を広げることを意味する。脳細胞の働きなら「シナプス」そのものや互いのつながりを増やすこと、料理ならレシピ数・使える素材を増やすこと、パソコンなら周辺機器やメモリを増やすことに例えられるだろう。新たな世界との出会いでこれまでにない自分の「立ち位置」を見つけられるかもしれないし、今まで気が付かなかった「自分自身の才能」を見出せる可能性もある。さらに、人生そのものを大きく変える人物との出会いも待ち受けているかもしれない。

「まかぬ種は生えぬ」ではないが、行動しなければ結果を導き出すことはできない。まずは一歩外に出て、自分の人脈(名刺枚数でも携帯の登録メモリ数でも良い)を増やそうではないか。