【更新】中越沖地震で被害を受けた店舗に激励の注文相次ぐ、ネット通販の売り上げ急増

2007年08月10日 06:30

インターネットイメージ2007年7月16日に発生した新潟県中越沖地震の影響で店舗に大きな損失をこうむった柏崎市内の商店主たちが、インターネットで励ましと具体的な支援を受けている。県内外からのネット通販による注文で、実店舗が受けた機会損失をおぎないつつあるというのだ([参照:読売新聞])。

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元記事によれば、面識のない男性から「つぶれた缶ビールでいいので買わせてほしい」というメールを受け取り奮い立った酒販売店では「(実店舗が地震で傾いて営業ができなくとも)通販なら全国の人々の助けで営業が続けられるのではないか」と考え、車庫に仮店舗を設けてウェブサイトで営業再開をアピール。すると通販による売り上げが地震前は全体の3割だったのが半分以上を占めるようになったという。

似たような事例は他にもあり、味噌のお店でもネット通販による売り上げが2倍増。店舗側いわく「店舗での売り上げが見込めない中、通販が店を支えてくれている」。

そこで両店舗らはこのような通販効果を柏崎商工会議所に報告。商工会議所側でもこの効果を認めると共に、実店舗が何らかの影響を受けるなどして営業再開が遅れても、先行して通信販売で営業を始めた店舗情報を集め、商工会の公式サイト上に各店舗のリンクを特設。この「震災に負けずにがんばってるお店リンク集」に掲載されたお店は8月8日までに60店舗を数えるようになったという(【実際のリンク集「eこって柏崎」の場所】)。

通信販売で営業を再開した店舗のリンク集。アイディア賞もの。
通信販売で営業を再開した店舗のリンク集。アイディア賞もの。

各店舗には「少しでも被災者の応援になれば」「柏崎へ行ったつもりの旅費分も商品代に添えます」などの声援メッセージが相次いでいるという。また商工会議所側では現在単なるリンク集にすぎないこのページについて、将来的にはこのページ上から直接各店舗に注文できるサイト(あるいは仕組み)を開設する構想もあるとのこと。いわく店舗での売り上げが不安定な中で、全国からの注文を励みに、復興のきっかけにしたい」。

アマゾンや楽天市場などのインターネット通販を利用している人なら実感しているはずだが、インターネットによる通販は「日本中どこからでもリアルタイムに買物ができる」のが最大のメリット。在庫管理や注文受付システム、発送の手続きなど必要な処理と気づかいは色々とあるが、それでも日本中(あるいは世界中)を相手に売買できる。初期投資にはそれなりに費用や手間がかかるが、実店舗の展開よりは楽な場合も多い。

今回柏崎市内の商店主たちが実感し、商工会議所がサポートしている一連の動きは、まさに「ネット通販のメリット」を最大に活かしているよい事例といえる。日本全土から注文が受けられる状況にあるし、利用者も(単なる物品の売買ができる便宜性以外に「実売り上げや心の支えの上で支援ができる」ので)利用を望んでいる。

このような時こそ、小規模店舗のネット通販のノウハウと経験をもつ各大手企業が助け舟を出し、素早く管理統合できるシステムを「地震の復旧援助」の名目で提供すればよいのに、と思うのは当方だけだろうか。あるいは自社の販売システム内に無料・低価格でネット内出店ができるような特例を設け、出店までのサポートを行なうのもアリだろう。利用には期限を設けて、一定期間が過ぎ(実店舗が復旧したら)ネット上店舗を閉店してもよいし、具合がよければ通常使用料体制に移行してネット上店舗の展開を続けても良い。

いずれにせよ、各店舗にはインターネット通販の利点を最大に活かし、復旧に励んでほしいものだ。

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