ネット接続サービス「アクトビラ」でストリーミング動画配信開始
2007年08月08日 08:00
【日経新聞】が8月8日伝えるところによると、テレビポータルサービスが提供しているテレビ専用のネットサービス【アクトビラ】において9月からストリーミング形式による動画配信サービスを開始するという。来年の春までには映画やアニメ、海外ドラマなど2000本ほどの素材を用意する。このサービスを起爆剤とし、ネットに接続できるテレビの普及を目指すとのこと。
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「アクトビラ」は2006年7月からサービスを開始している、テレビ専用のインターネットサービス。利用は無料で事前の申し込み、手続きも要らない。ブロードバンド回線があれば、アクトビラ対応テレビを入手して接続するだけですぐに利用が可能。会員登録をすればさまざまな機能が使え、クレジットカードの登録を行なえば有料コンテンツの利用もできるようになる。
「アクトビラ」の仕組み・概念的には前世紀末に試験的な形で導入されたウェブTV(WebTV、2002年にサービス終了)に近いものがある。要は「家庭用テレビで素晴らしいネット(サービスを使った専用コンテンツ)の世界へご案内」というコンセプト。現在は画像や文章のみの「専用コンテンツ」サービスしか提供されていない。インターネットブラウザを使ってウェブサーフィンが出来るわけではないことに注意。
今回日経新聞で報じられた動画サービスは【アクトビラ内の質問コーナー】で回答されている「映像配信サービスはありますか」の答えに応じたものだろう。それによると2007年度中にストリーミングVOD(ビデオ・オン・デマンド、見たいビデオを見たい時に見られる)サービス、2008年中にダウンロード/蓄積型サービスを提供予定とある。
インターネットと比べると低いハードルで、ネットによる情報伝達の便利さを満喫しようというコンセプトの「アクトビラ」。特にテレビ本体の製造メーカーが力を入れているようだが、アクトビラ内の公式サイトによれば動画配信サービスを受けるためには対応した機器が必要であるとのこと。今日付けの参照記事にはその件が記載されておらず、どのような対応がとられるのか気になるところ。
また、先に【Wiiとインターネットチャンネル】でレポートしたように、「アクトビラ」より多少ハードルは高いもののごく普通のテレビとインターネット接続環境があれば、家庭用ゲーム機Wiiでインターネットブラウジングが可能な環境を手に入れることができる。インターネット上の動画配信サービスも投稿型・企業提供型をあわせ多数存在していることや、今後Wiiなどを用いている「初心者アクセス向けウェブサービス」が充実してくる可能性が高いことを考えると、正直「アクトビラ」の置かれている環境は厳しいものといわざるを得ない。
「アクトビラ」でしかできない、「アクトビラ」ならではの利点やコンテンツを多数用意し、アピールをしないと、いくら動画コンテンツを用意しても、今後の展開は難しいものになるだろう。
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