「Eトレ連合」のPTS夜間取引、8月27日スタート

2007年08月17日 19:35

【SBIホールディングス(8473)】などは8月17日、SBIグループにおいて私設取引システム(PTS)の運営業務準備をしてきたSBIジャパンネクスト証券が本番環境でのシステム稼動を開始し、27日から夜間(19時~23時50分)の株式・ETF・リートのほとんどとなる4000銘柄を取引するPTS市場「ジャパンネクストPTS」をスタートすると発表した(発表リリース)

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「ジャパンネクストPTS」は先にも報じたように、PTSシステムを用いた夜間取引市場で先行している【カブドットコム証券(8703)】とは別グループの、SBIホールディングスとその傘下のネット証券である【SBIイー・トレード証券(8701)】を中心とした、俗に言う「Eトレ連合」としてシステム構築や運営準備を行なってきた。当初は今年頭スタート予定だったが作業がずれ込み、今回発表されたように8月27日からのスタートとなった次第。

「ジャパンネクストPTS」の概要は次の通り。

・稼働時間は19時~23時50分。約定日から起算して5営業日を受け渡し日(権利付最終日の場合は6営業日)。
 ※昼間取引で権利付最終日の銘柄はその日の夜の取引では権利「落ち」日となる。
・取り扱い銘柄は4000銘柄。主要現物、ETF、リートのほとんど。整理ポストや外国部銘柄などは除く。
・取引方法はオークション方式ではなく顧客注文対当方式。価格優先・時間優先。指値注文のみ。板寄せもなし。特別気配表記もなし。ストップ比例配分もなし。
・値幅制限は昼間取引の終値を元に、取引所で使われている制限値幅と同じものを採用。
・板情報は上下5本、4本値。
・必要な時には売買停止、制限措置あり。不公正取引に関する監視あり(証券取引等監視委員会への通達含む)。
・注文上限金額は1注文で1億円以内。


参加証券会社についてはゴールドマン・サックス証券、SBIイー・トレード証券が27日から、【GMOインターネット証券】が9月7日から取引ができるようになるとしている。今回発表されたリリースには以前今件に参加していると報じられた『楽天証券』、【オリックス証券】の名前が見当たらないが、特に何らかのハプニングでもない限り、じきにこれら証券会社も参加一覧に名を連ねるものと思われる。

リリースを読む限りではその日当日の昼間取引の値幅を超えた上下幅(上か下かは別として)が採用される一方、オークション方式ではなく指し値だけの相対に近い取引が行われるなど、昼間取引とは雰囲気の異なる取引が展開されることだろう。

さらにリリースでは読み解ききれないところがあり電話で確認したところ、「夜間取引と昼間取引はシームレスでやりとりができる。例えば夜間取引で購入した銘柄を次の日の昼間取引ですぐに売ることも可能」「現物取引のみで信用取引は行われない」とのことだった。

今回の「ジャパンネクストPTS」の導入で、日付が変わってからの真夜中の取引は無いものの、昼間の場中取引が終わった後もかなりの自由度の元に売買ができる可能性が高まったことになる。従来上場企業では「市場の混乱を避けるために場が引けた15時以降に重要な発表を行なう」というのが通例となっているが、今後はこの「通例」にも影響が生じてくることだろう。この夜間取引が昼間取引にどのような影響を及ぼしうるのも含め、色々な意味で注目したいところではある。


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(最終更新:2013/09/02)

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