主婦パワー恐るべし!? 追証相次ぎFXの一部で取引時間短縮
2007年08月22日 06:30
東京金融先物取引所は8月20日、FX(外国為替証拠金取引)の一種である「くりっく365」において、取引時間を通常から5分間短縮する措置を決定し、21日から開始した。為替レートの大幅な変更で出来高が大規模にふくらんだためとしている(【発表リリース】)。
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「くりっく365」はFXの一種である「取引所為替証拠金取引」。【急速な円高進む・一時1ドル112円台にまで上昇】でも報じたようにサブプライムローン(低所得者向け住宅ローン)問題での信用不安をきっかけに急速な円高が進行し、外貨を購入していた個人投資家に損失が続出。損失を確定するために売却を余儀なくされ、取引高が大規模なものとなった。
そこで東京金融先物取引所では「市場運営の安全性確保のための予防的措置」として、取引終了時の処理時間を十分に確保するため、「くりっく365」の取引時間を暫定的に次のように変更するよう決定した。
全通貨について(月~金曜日全ての取引日)
プレオープン時間帯 7時05分~7時15分(従来は7時00分~7時10分)
付合せ開始時刻 7時10分(従来は7時10分)
※付け合せ終了時刻の変更はなし
要は開始時間を従来から5分遅らせ、取引時間そのものを5分短縮したことになる。
売買殺到による処理能力の限界を超したことでの取引時間の短縮といえば、昨年初頭のライブドア・マネックスショックにおける東京証券取引所における措置(【東証、状況次第で明日1月19日以降の取引で立会時間の短縮も検討】)などが記憶に新しい。また、今年前半において、東証後場での取引時間開始が従来の12時半からではなく13時からだったことを覚えている人も多いだろう。今回の東京金融先物取引所における措置は、当時の東証とまったく同じ判断によるもの。
最近は一般週刊誌でも「FXで○億円儲けた主婦」などといったキャッチコピーが踊り、初心者にFXを勧める記事を相次いで見かける。実際、このFXブームによってFX参加者が大量に登場し、専門家に「日本の主婦がFXで為替を動かしている」と言わしめたほど。
しかしブーム開始間もないこの時期に、これだけの急激(恐らく歴史的規模での)な為替変動は、やはり酷だったに違いない。実際、今回のFXブームをきっかけにFXを始めた初心者が、今回の大変動で痛手を追ったようだ。多くのブログで「悲鳴」が見受けられる。
取引所が取引時間を元に戻せば、それなりに「騒ぎ」は沈静化したと見受けることができる。損失が大きすぎて市場から「退場」する投資家が出てくるのは仕方がないが、少しでも早い事態の沈静化を望みたいところだ。
(最終更新:2013/08/19)
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