今調査は7月10日から11日のあいだに10～40代のモバイルユーザー300人に対して行なわれたもの。男女比は6対4。年齢構成比では30代がもっとも多く46.0％、ついで40代の28.0％など。キャリア比ではドコモが56.0％、auが35.3％、ソフトバンクが8.7％。調査母数が少なめのため、世間一般の傾向とはぶれが生じていることを考慮する必要がある。

●パズルゲームが人気、今後はロープレや直感ゲームに期待

まず色々なゲームのジャンルを選択肢として用意し「これまでに遊んだことがあるもの」「現在よく遊んでいるもの」「今後遊んでみたいもの」の3項目についてたずねてみた。

携帯電話で遊んだことがあるもの、現在よく遊んでいるもの、今後遊んでみたいもの
※図版中「シュミレーションゲーム」は「シミュレーションゲーム」の誤り

パズルゲームは他のゲームと比べると「ゲームそのものを十分理解してプレイする」ハードルが低く、かつ(スポーツゲームなどのように)バックグラウンドを知らなくても楽しめるものが多い。老若男女に無理なく提供できるため、多くの携帯電話に採用されている。ゲームそのものの性質や、提供タイトルの多さがパズルゲームの支持をかさ上げしているのだろう。

一方「今後遊んでみたいゲーム」としては「ロールプレイングゲーム」「携帯電話を傾けるなど直接動きが伝わる直感ゲーム」の2項目への回答が抜きん出ていた。一般の家庭用ゲーム機向けの大作ロールプレイングゲームシリーズの過去作品が携帯電話本体に標準装備されていたり、あるいは別口で提供されることも増えている。パズルゲームはこれまでどおり遊び続けるが、「ちょっと腰をすえて有名どころの大作ゲームの香りがするものにも手を出してみるか」と考えている人が多いのだろう。また、最近の新型機種で導入されるよになった「傾きセンサー」を用いたゲーム(例えば【直感ゲーム】)にチャレンジしたい人が多いのは、「新しいもの好き」な人間の「さが」がその理由に違いない。

●「携帯電話でゲームの世界に」が過半数

携帯電話ではメール・サイト閲覧以外にゲームで遊ぶ人の姿をよく見かけるようになったが、元々それほどまでにゲーマー(ゲームをプレイする、ゲーム好きな人)は多かったのだろうか。そこで「携帯電話でゲームをしたことがある人」に、元々ゲームが好きだったのか、それとも「携帯電話のゲームをきっかけにプレイするようになったのか」の二択での質問を行なった。

携帯電話でゲームをしたきっかけは?

元々ゲームが好きで、携帯でも当然ゲームをしている人は47.4％。それに対して「元々ゲームはあまりしていない。しかし携帯電話でのゲームが便利なので、あるいは面白そうなので始めた」という人が52.6％を占めた。

選択肢が二択しかないことなど多少設問上の問題もあるが、それでも少なからぬ人が「携帯電話」という新しいデジタルディバイスをきっかけに、「ゲーム」のとりこになっていることが容易に想像される。

携帯電話のゲームは「短時間に気軽にすぐに遊べる」「安い料金で挑戦できる」(ように見える……パケット料と料金設定次第)のが基本。携帯ゲーム機のゲームもこれに近い要素を持っているが、常日頃持ち歩いている携帯電話だけで他の器具を用いることもなく、ソフト購入の必要もない「携帯電話向けゲーム」のメリットにはかなわない。

これまでゲームを敬遠していた人が、「携帯電話向けゲーム」のハードルの低さについ「飛び越えて」しまい、ゲームな世界に足を踏み入れてしまうのも十分理解できる。また、他人から「ゲームをしているようには見えない」のもメリットとして挙げられる。

マーケティングの世界でも「興味を持ってもらうだけではダメで、実際に手にとって試してもらわないとその商品の魅力を多くのお客に知ってもらう事はできない」という話がある。その観点でも、ハードルを極力低くして不特定多数の人に「(デジタル)ゲームの面白さ」を教えた「携帯電話向けゲーム」の功績は計り知れないものといえよう。