専業主婦の9割が「また働きたい」・最大の理由は「家計を助けたいから」
2007年08月16日 08:00
生涯学習のキャッチコピーで有名なユーキャンは8月9日、子どものいる専業主婦を対象に行なった意識調査の結果を発表した。それによると将来機会があれば「兼業」主婦として働いてみたいと考えている専業主婦は9割にのぼり、その最大の理由は「今より多くの収入を得たいから」であることが明らかになった(【発表リリース、PDF】)。
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今調査は20代から40代の、子どもがいる専業主婦(通常職以外にパートやアルバイトなどもあわせ、賃金を得られる労働をしていない、主婦業にかかりっきりな主婦)合わせて300人に対し、6月21日から27日までの間にインターネット経由で行なったもの。約半数の154人が3歳までの乳幼児を末子に持つ。
現在専業主婦ではあるが、今後チャンスがあれば働いて(収入を得る仕事をして)みたいかという問いには9割以上の90.7%が「はい」と答え、「いいえ」と答えた人は9.3%しかいなかった。年齢層別でもすべての年齢で9割近くが「はい」で、やや40代が少ない(86%)程度。育児などの理由で専業主婦状態の主婦も、収入を得る仕事への願望が厚いことが判明した。
ではなぜ働きたいのか。その一番の理由を尋ねたところ、「今より多くの収入を得たいから(家計の足しにしたいから)」と答えた人が59.6%ともっとも多かった。
働いてみたい一番の理由は?
機会があれば
家計を助けるために
働きたい!
こちらもトップの回答「今より多くの収入を得たいから」は、どの年齢層も過半数を超えている。年齢を超えて想いは同じであることが分かる。それ以下の回答はいずれも少数派となってしまうが、例えば周囲とのふれあいの経験が少ない・専業主婦にまだ慣れていない20代は「社会との接点を持っていないから」(どちらかというと現状維持派)が多い一方、40代は「様々な人と交流を持ちたいから」(同じく状況改善・発展派)が多いのが分かる。前者は専業主婦という立場にまだ戸惑っていて、後者は自我を確立しその上でステップアップをとの考えから「働きたい」と考えているのだろうか。
【家計消費は先行き不透明さから減少中、さらに収入格差の拡大も顕著に・労働経済白書は語る】にもあるように、実質賃金は上がらず、物価は上昇し、家計は厳しくなりつつある。しかし【妻に言われて夫が傷つくセリフトップテン、第一位は「うちにはお金がない」】にもあるが、無神経に「お金が足りないのよネ」などと愚痴をこぼすわけにもいかない。旦那も必至に働いているのだから(豪遊しているのなら話は別)。
このような状況の中、主婦としては「ならば自分が(機会があれば)働きたい! そして家計を助けたい!!」と考えるのは必然と考える一方、頼もしいし、ありがたいと思う旦那も多いだろう。
……しかしその一方、主婦自身が自分のために使えるお金(お小遣い)は昨年より平均で1014円下落して1万2008円になったことも明らかになった。
専業主婦が自分のために使えるお金・2006年度と2007年度調査の差異
年齢層で多少の差はあるが、大体1000円程度減少していることが分かる。区切りのよいところで「自分の小遣いも1000円くらいは削らないと……」という思いからだろうか。
家計簿をつけている主婦は、家計の大変さが一番分かる(最前線にいる)立場といえる。自分の小遣いの減少も実感として味わい、お金のやりくりが大変だと毎日のように考え、頭を痛めている。家計という現実問題を見逃すわけにはいかないが、子育てなど専業主婦をしなければならない事情も否定できない。日々ジレンマに悩まされ、家事に育児に奔走される専業主婦には、まさに頭の下がる想いだ。
同調査結果では「約9割の専業主婦が年中無休」「週に一日くらいは主婦業を休みたい」というデータも出ている。平日朝から晩まで働いて、休日くらいはゆっくり休みたいという旦那さんの気持ちも分からないではないが、もうちょっとだけ奥さんのことも考えてあげる良い機会なのかもしれない。
(最終更新:2013/08/19)
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