8月17日の日経平均は今世紀二番目の下落率・今後の下値目安はどこに!?
2007年08月17日 19:35
サブプライムローンに始まる世界的な金融市場の信用不安や、投信解約などに備えた現金の確保のための投資ファンドの持ち株の売り、そして円高によるポートフォリオ調整のための日本株の売りなど、株式市場においてはマイナス要因が重なり、今週一週間、特に後半はさえないどころか顔が真っ青になる市場展開だった。
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特に17日金曜日の下げには青ざめた人も多いだろう。木曜夜半のアメリカ市場の戻しや木曜日における東京株式市場の後場の展開を見ていた人は「午後を過ぎれば多少は戻すだろう」との観測もあったと思われるが、その期待を裏切る形で続落(多少の反発はあったようだが)。週末に備えたポジション整理や相場全体の下げを見たあきらめ売りなど、売りが売りを呼ぶ形で急落を続け、17日の終値は日経平均で前日比マイナス874円81銭(-5.42%)の1万5273円68銭となった。
8月17日一日の日経平均の値動き。
実際にザラ場で売り買いのようすを見ていた人は分かるだろうが、特に14時以降においては買い手(買い板)が少なかった。これは売り投げる人が増える一方、これからの状況があまりにも不透明なので、(株価的には買いシグナルが点灯していても)とりあえず様子見を決め込む人が増えたことが推定される。
日経平均における【下落率のランキング】を見てみると、今日の下げは1974年10月に記録した5.41%のマイナスを超えて史上第15番目の下げとなる。今世紀に入ってからは2001年9月12日の6.63%マイナス(例の「9・11ショック」による下げ)以来の下げである。「今世紀二番目の下げ」と表現すれば、今日の下げ具合がお分かりいただけることだろう。
日経平均下げ率ワースト20(8月16日現在)
また、この一週間の日経平均の上げ下げを終値ベースで見てみると
8月13日……+35.96
8月14日……+44.56
8月15日……-369.00
8月16日……-327.12
8月17日……-874.81
計……-1490.41
となり、一週間で日経平均は1490円41銭も下げた計算となる。
来週以降の相場展開だが、まずは来週の日銀会議で金利が引き上げられるか否かが大きなポイント。仮に金利が引き上げられれば、さらなる株価下落は避けられようもない(円キャリーの問題から)。また、為替の動向も急激に円高(輸出関連企業の業績にシビアに反応するため)に進んでおり、これは少なくとも東京市場の展開としてはマイナスの要因になる。
チャート的には今日の時点ですでに1万5000円台前半に到達してしまったため、去年の9月近辺での底値が抵抗線として意味をなさない状態になっている。
この場合、次なる抵抗線はキリの良い1万5000円前後、さらにそこを突破されると2006年6月につけた1万4000円台前半までは覚悟するべきなのかもしれない。仮にそこすら下抜けしてしまうと……2005年10月の1万3000円台となるが、これは非常に弱い谷なので、むしろ2004年から2005年中盤の1万2000円前後まで、の可能性も否定できない。
日経平均下げ率ワースト20(8月16日現在)
とはいえ今回の下落はテクニカルがどうとかファンダメンタルがどうとかという問題ではなく、ひとえに「サブプライムローンに始まる世界的な金融市場の信用不安」が原因のすべて。そして直接的には「現金を手元においておかねばならないファンドが、少しくらい利益が減っても、何はともあれ持ち株を売り現金を手にしなければ」というプレッシャーに駆られて売られているのが実情。
会社四季報のCD-ROMをお持ちの人は、各上場企業の中で外国人投資家比率の高い銘柄をピックアップしてみてほしい。恐らく下げ率が日経平均より上のところが多いはずだ(同時に円高にもふれているので、輸出関連企業も下げているのでズレが生じるかもしれないが)。
サブプライムローン問題が最終的に沈静化するのは、最長で2008年末(2006年契約分の「2年間の猶予」が切れるタイミング)。【大前研一氏の説】では、最初の山場は三か月後に迫っているともいう。
とりあえずは今晩のアメリカ市場、そして来週以降の盆明けの市場展開を注意深く見守るしかない。が、今後も「日本国内ではほとんどどうにもならない要因で、日本株が無茶苦茶下がる」という、ある意味やるせない、ある意味絶好の拾い場ともいえる時期が継続することだろう。配当利回り2桁台の東証一部銘柄、などというものも出てくるかもしれない(もちろん配当の上下修正前の概算での話だが)。
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