決算書で見る「一年以内に危ないかも」上場企業57社リスト
2007年08月21日 08:00
【ZAKZAK】で8月20日、2007年3月期および3月中間期決算で、1年以内に経営破たんするリスクを抱えている上場企業が東京証券取引所管轄内で35社、ジャスダック証券取引所管轄内で22社、合計57社存在するとし、その一覧が掲載された。企業の存続リスクに関する掲載を義務付けた2003年3月期以来最大の数字だという。
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上場企業においては自社が「1年以内に破たんする可能性が極めて高い」と経営者・経営陣判断したら、そのリスクの中身と対応策を決算書内に明記し、投資家に告知しなければならない。また経営陣がそのような判断を下さなくとも、監査法人・監査人側がそのようなリスクがあると認めた場合、監査報告書に「注記」を加えて注意勧告を行なう。
元記事によればこのリスク開示が、2007年3月期・3月中間期決算企業1880社のうち、1部で16社、2部で11社、マザーズで8社の計35社。前回(2006年9月中間期)は24社だったので、11社増えたことになる。一方ジャスダックでは668社のうち22社が該当。あわせて57社になったとのこと。
「一年以内にヤバいかも」というリスク開示企業が増えたことは、監査法人が監査を厳格化した証拠。例の「中央青山リスク」という言葉が生まれた一連の事件やライブドア・マネックスショックなど、粉飾決算事件が相次ぎ、監査法人側にも厳密化が認められたため。
掲載されているリストにはその「リスク」が決算書に認められる全社が納められている。消費期限切れ問題の【不二家(2211)】は連結最終赤字の計上、【オリエントコーポレーション(8585)】は利息返還請求への多額引当金を積み増したために一時的な債務超過状態、【ラオックス(8202)】は巨額な最終赤字など、有名どころの企業も色々な原因を理由とし、そのリストに名を連ねている。
これらの企業すべてが一年以内に「アウト」となるわけではないが、その可能性がある、他の企業よりは高いと経営陣自ら、あるいは監査法人が認定した以上、それを念頭において銘柄選択をする必要があるだろう。逆に考えれば多くの人が「ヤバいかも」と思っている以上、株価は低迷することが十分に考えられるため、もしその状態を脱すれば大規模な躍進も期待できる。
同じ「要注意」とされた企業も、決算書をじっくりと読み解けば、本当に「マズいかもな」というところと、「決まり上表記されているけど、すでに再建過程にあって堅調に推移している。これなら大丈夫だろう」というところ、二種類存在するのが分かるはずだ。前者を選択するのは問題外だが後者なら中長期的に見れば、後々になって「良い買物をした」と思える日がやってくるかもしれない。
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