575億円の戦略爆撃機を「カッコイイから!」という理由で買おうとするロシア富豪
2007年08月25日 12:00
【ロイター通信】が伝えるところによるとロシアのthe Komsomolskaya Pravda誌は8月24日、モスクワ近くで開催された航空ショーにおいて、展示されていたアメリカの戦略爆撃機B-52を見たロシアのお金持ちが「これを買いたい」と申し出たことが明らかになった。5億ドル(575億円)が提示され、価格の上では問題なかったものの、他の理由で結局売られることはなかった。
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このロシアの富豪は航空ショーに、サングラスをかけてボディーガードによって囲まれた「いかにもお金持ち」という体裁で登場。B-52を展示していたアメリカの関係者に「この爆撃機がほしい。買いたい」と申し伝えたという。
アメリカ側はこのアプローチに驚き、「このB-52は売り物ではない」とした上で「もし売ることになったとしても、少なくとも5億ドルは必要だ」と説明。しかしロシアの富豪側は「値段など問題じゃない。カッコイイマシンじゃないか!(That is no problem. It is such a cool machine.)」と答えたという。このようすはロシア誌の記者が立ち聞きし、今回の記事になったという。
「値段など問題じゃない」
「カッコイイマシンじゃないか」
しかし結局のところ、このB-52がロシア富豪のコレクションに収まる事はなかったとのこと。またこの大富豪の正体も明らかにされていない。
ロシアでは共産体制化の旧ソ連が崩壊し、部分的な資本主義が導入されて以降、ロシアが持つ広大な領地に埋蔵されているエネルギーや各種資源の売買に携わり、大富豪に成りあがる人、俗に言う「ニューリッチ」が続出している。今回「B-52一つ下さいな」と申し出た富豪も、そのニューリッチ層ではないかとも言われている。
その昔、まだアップルコンピューターが高価なマシンだったころ、パソコンショップで「りんご一つ下さいな」と店員に申し出る、マックを買うお金持ちの子どもの小噺(こばなし)を耳にしたことがある(冗談話ではなく実話らしいのだが)。金銭感覚の違いは時としてそのような冗談を生み出すこともあるが、広大なロシアの場合、買物の小噺もスケールがケタ違いとなるようだ。
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