東京市場での外国人投資家の売超、4週間連続・株価下落の一因か
2007年08月24日 06:30
東京証券取引所は8月23日、8月13日から17日(8月第3週、先週)における株券の投資部門別売買状況を発表した。それによると先週外国人投資家が株を売った総額は8兆6424億6411万8000円なのに対し、買い総額は7兆8904億0131万4000円となり、差し引き7520億6280万4000円の売り超しとなった。この売り超しで外国人投資家の売り超しは4週連続となり、この4週分の売り超し総額は1兆約5000億円に達することになる。昨今の東京株式市場における、特に先週後半における株価急落の一因が、外国人投資家の日本株売却にあることがあらためて浮き彫りになった形だ(【最新発表リリース、PDF】)。
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8月13日から17日における各部門別の売買動向は次の通り。
・法人……1兆0502億5651万3000円/1兆4612億9942万5000円(4110億4291万2000円買超)
・個人……2兆2040億2079万6000円/2兆25359億7018万7000円(3319億4939万1000円買超)
・外国人……8兆6424億6411万8000円/7兆8904億0131万4000円(7520億6280万4000円売超)
・証券会社……1319億2976万6000円/1543億1778万6000円(223億8802万0000円買超)
(それぞれ売り/買い(差し引き))
また、この5週間における外国人投資家の動向は次の通り。
7月17日~7月20日…3702億0027万5000円買超
7月23日~7月27日…3000億5608万7000円売超
7月30日~8月3日…1961億9964万8000円売超
8月6日~10日……2015億7870万9000円売超
8月13日~17日……7520億6280万4000円売超
7月中旬まで日本株式の買い超しが進んでいた外国人投資家がこのように売り超しに転じ、特に先週は大規模な売り超しとなり過去3週間分に匹敵する額が1週間分で売り超されているのは、アメリカの低所得者向け住宅ローン(サブプライムローン)の焦げ付きで損失を抱えた海外のヘッジファンドが投資家からの解約に備えて、仕方なく手持ちの株式を売却している可能性が高い。特に先週後半15日から17日にかけての東京市場急落の時期に外国人投資家の売りが急増しているあたり、「激動の夏季相場」の仕掛け人が外国人投資家であることはほぼ間違いない。
また、外国人投資家が投げた株式を、他の部門、特に個人と証券会社が急速に買い進めた形になっているのも興味深い。先週比で個人の買い超し額は47.4倍、証券会社は7.2倍に及んでいる。今回の「真夏の外国人さまブン投げキャンペーン」での買物が果たして吉と出るのか凶になるのかは、今後の相場展開次第といえるだろう。
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