小学校高学年でも携帯電話は4人に1人が持っている
2007年08月18日 12:00
【日経パソコンオンライン】が8月17日に発表した統計データによると、自分の子どもに子ども専用の携帯電話を持たせている親は41%に登ることが明らかになった。また、子どもの年齢層別に尋ねたところ、小学校高学年でも4人に1人が子ども専用の携帯電話を持っていることが判明した。今や日常生活に欠かせない存在となりつつある携帯電話だが、小学生の間にもそれなりに浸透していることがうかがえる。
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今調査は5月14日から22日までの間に日経BPのウェブサイト上で実施したもので、有効回答数は466人。対象となった子どもの男女比は237対229。今調査結果は「大人(親)から見た子どもの実情」であり、子ども自身の申告ではないため、「真相」と多少のずれが生じている可能性を考慮してデータを見る必要がある(もっとも携帯電話は使用料金の請求書が自宅に届くので、子どもが親に隠れて購入して使う状況はまずありえないが)。
子どもが「子ども専用の携帯電話を持っているか」という問いには41%が「もっている」、59%が「もっていない」と答えている。子どもの年齢層は未就学児から大学生までさまざまなであり、一まとめにする意味はさほどないようにも見受けられるが、ともあれ半数近い子どもは自分だけの携帯電話を所有していることが分かった。
それでは具体的に、学年層別に見てみるとどのような違いが分かるだろうか。
子どもの学年別「子どもに携帯電話を持たせているか」
幼稚園児などはさすがに(おもちゃはともかく)自分自身の携帯電話を持たせている割合は少ないが、小学校高学年となると中学受験のための塾通いをする子どもが増えるため、親の気苦労も増えてくる。GPS機能を用いた携帯電話による場所・安全確認サービスも増えており、そのような機能を使う親や、単に通話で安否を確認するため、子どもに持たせる親が増えてくるのだろう。
中校生以上になると所有率は跳ね上がり、高校生では9割以上の子どもが携帯電話を持っている結果が出ている。今調査からだけでは判断できないが、中学生以上の場合は「親が子どもの安否を気づかう」だけでなく、子供同士の意思疎通にも使われているのだと思われる。
さて、今調査では「小学校高学年では26%の子どもが携帯電話を所有している」という結果が出ているが、似たような調査を厚生労働省が2004年の時点で行なっており、その結果も記事にされている(【小中学生への携帯電話の普及度急速に高まる、小学校高学年で24.1%】)。それによると、
携帯電話の所有率(厚生労働省調査、2004年)
小学生……24.1%
中学生……48.3%
高校生……91.8%
という結果が出ている(「持っていない」数から逆算して算出)。厚生労働省データでは小学校では低学年と高学年の区分がされていないが、それでもほぼ今回の調査結果と同じ数字が出ているのには驚きを隠せない。つまり、子どもにおける携帯電話の所有率は、3年の間にほとんど変わっていない、あるいは(調査による)誤差の範囲内に留まっていることが推測できる。
携帯電話の普及率そのものは(伸び率こそ鈍化すれど)増加傾向が続いているのは言うまでもない。しかし子どもにおけるそれぞれの学年で、「まだ持たせてはいけない」と考える親の判断基準に(少なくともこの3年間では)変化はない、ということなのだろう。
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(最終更新:2013/08/19)
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