ライオン、マイナス40度で凍らせ退治する「バルサン氷殺ジェット」の自主回収を発表

2007年08月28日 08:00

バルサン氷殺ジェットイメージ[ライオン(4912)]は8月27日、すでに春から発売している家庭用殺虫スプレー「バルサン 氷殺ジェット」「バルサン 這う虫氷殺ジェット」について、商品の自主回収を行なうことを発表した。使用している可燃性ガスが原因で引火事故が複数件報告されたため(【発表リリース】)。

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「バルサン 氷殺ジェット」などはマイナス40度の強力な冷却ガスなどで害虫を「退治」する家庭用殺虫スプレーとして発売された。日本初の農薬などの殺虫成分を含まない殺虫スプレーとして注目を集め、子どもがいるために薬品のスプレー利用を遠慮したい主婦などにも人気があった。

リリースによれば「バルサン 氷殺ジェット」「バルサン 這う虫氷殺ジェット」は噴射剤として可燃性ガスを使用しており、火気には十分に注意が必要。各種媒体などで注意喚起をしてきたが、引火事故が複数件報告されている。これは該当商品が火気の近くで使用されたことや、連続噴射により多量に使用され、換気が充分に行なわれなかった後に火気に接したことなどが原因となって発生したものと考えられている。

ライオン側では使用客の安全を最優先すると共に事故の再発を防ぐため、今回の自主回収を行なうことになったとのこと。

薬成分をもたない殺虫剤ということで非常に興味深く、多くの人に使われた「氷殺ジェット」だが、地球温暖化対策などの観点から噴射剤にはかつての不燃性フロンガスではなく、可燃性のガスを利用していた。そのため製品紹介ページでも「本品は引火性が強いので次のことに注意してください。(1)コンロ、湯沸かし器、タバコ、ライター、線香、花火などの火気のない場所で使用すること。(2)家電製品(換気扇、扇風機、掃除機、洗濯機、冷蔵庫など)の付近で使用する場合は、電源を切ってから使用し、充分換気してから電源を入れること」など引火に関する注意事項が書かれている。これまでのフロンガスタイプの殺虫スプレーと同じ感覚で用いた人が、引火の可能性(や実際の引火)を引き起こしてしまったのだと思われる。

リリースでは「氷殺ジェット」の今後について一切表記はされていない。回収の理由を考えれば「不燃性で健康に影響も無く安全、量産が可能で安価な噴射剤」を探して導入する必要があるが、一朝一夕では難しいかもしれない。

アイディアとしては素晴らしい殺虫剤だっただけに、回収は非常に残念。一刻も早い再発売を願いたいところだ。


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