ロシア海軍、空母からの艦載機発着艦を2年ぶりに再開

2007年08月24日 06:30

アドミラル-クズネツォフ級空母(重航空巡洋艦)のネームシップ、クズネツォフ(Kuznetsov)イメージ【DefenseNews.com】によるとロシア海軍は8月18日ロシア国営テレビChannel Oneにおいて、同海軍で現在唯一の現役航空母艦(空母)であるアドミラル-クズネツォフ級空母(重航空巡洋艦)のネームシップ、クズネツォフ(Kuznetsov)の搭載機運用を再開したことを明らかにした。同空母の搭載機(艦載機)運用は2年ぶりのことになる。

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アドミラル-クズネツォフ級空母(重航空巡洋艦)のネームシップ、クズネツォフ(Kuznetsov)イメージ記事によると国営テレビでは空母の甲板上からのレポートで「2年ぶりにクズネツォフから離着艦ができます。この2年間はパイロットや整備員にとって永遠にも等しい長い時間に思えました」と語られていたという。

先に【ロシア、戦略爆撃機による24時間パトロール飛行を再開・15年ぶり】でも報じたように、ロシアではエネルギー関連の産業発展で予算に都合がつくようになり、軍事方面での再編・増強が著しい。ロシアでは他の空母は廃艦処分となったか売却されてしまったが、このクズネツォフだけはステータスシンボル的な意味合いもあり在籍しつづけていた。しかしこの2年間は(恐らく)予算不足のため、艦載機の運用は事実上停止していた。

今回の艦載機運用の再開は、ロシア経済の復興と共に軍事方面への注力強化を象徴する出来事の一つとして数えられることだろう。

ちなみにクズネツォフは表記の上で「空母」と「重航空巡洋艦」を併記していることからも分かるように、対空装備を山ほど抱えているだけでなく対潜、そして対艦装備(SS-N-19対艦ミサイル)まで装備している、「空母」と「巡洋艦」の両方の性質を兼ね備えている(もっとも「重航空巡洋艦」と表記する理由は他にもあり、ボスポラス・ダーダネルス海峡は空母を通過できないという「モントルー条約」を遵守するための回避措置でもある)。また艦名もリガ、レオニード・ブレジネフ、トビリシ、クズネツォフと二転三転しているという稀有な経歴を持つ。なおアメリカの主力空母のような原子力空母ではなく、蒸気タービン機関による通常空母である。

また同級の二番艦「ワリャーグ」は中国に売却され改修工事が行なわれていると報じられている(【中国、国産の空母建造を計画か】)。

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