今年はセミが去年の2倍、鳴き声うるさく夜間にまで

2007年08月21日 12:30

セミイメージ今年は春先に「夏は暑くなります」と予想され途中で「暑くなる予報はナシ」とされ、さらに「やっぱり暑くなります」と夏の気象予報が二転三転したが、結局「梅雨明けが少々遅れ、当初予想どおり無茶苦茶暑くなった」というのが正解だったようだ。それと共に、なのかどうかは不明だが、セミの鳴き声も例年以上によく聞こえる気がする、と感じている人も多いはず。道端でへたばっているセミの姿、さらには夜にまで鳴くセミ達の声も例年以上。そこで「今年のセミ事情」をいくつかまとめてみることにした(参照:NHKなど)。

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今年はセミの当たり年・昨年の2倍か

すでに[このページ(Sankei Webなど)は掲載が終了しています]ことだが、今年は特にセミの数が多いらしい。その数、昨年の約2倍。記事にある大阪市立大の沼田英治教授らの話によれば、今年は4年に一度の「セミの当たり年」に相当するとのこと。セミの数の増減には周期があり、基本的に西暦の奇数年には多いらしい。また、4年間・8年間単位でセミの数の総計はほぼ一定になるという法則もあるようだ。そして「今年のセミの数は昨年の2倍」という予想も、この傾向・法則から導き出された。

ただしこれらのデータは、セミの抜け殻をカウントして得られたもので、セミにアンケート調査をしたり、セミの生態において何らかの理由が特定されたわけではないとのこと。非常に興味深い話に違いは無いが。そして我々が実感しているように、確かに今年はセミが多いようだ。

夜に鳴くセミは「明るさと暑さにだまされて」

普通セミは昼に鳴くもの。しかし都心部に住んでいる人ならセミの声を夜間に聞く機会も多いはず。この「夜にセミが鳴く現象」について、セミの生態学に詳しい埼玉大学の林正美(まさみ)教授によれは、この現象は都心を中心に10年くらい前から指摘され始めており、特にここ4、5年はその傾向が強まっているとのことである。

ではなぜ夜間にセミが鳴くのか。林教授によればその理由は大きく二つあるとのこと。一つは「夜の気温が高いから」。セミは24~26度の気温で良く鳴くのだが、最近は25度を下回らない熱帯夜が増える傾向にある。これがセミを夜鳴かせる一因なのだという。

そしてもう一つは「街灯などで夜でも明るいから」。ネオンや街灯などで明るい場所が多い都心部では、夜間でも昼間に近い明るさにある場所が多い。これがもう一つの要因。「暑く明るい」。この条件が整っているので、ニイニイゼミやアブラゼミなどは昼間と勘違いして鳴くのではないとしている。

ちなみに大阪では東京と同じように「暑く明るい」条件が揃っているが、東京ほど夜間のセミは聞かれないという。これについては、大阪地域ではニイニイゼミやアブラゼミはあまり生息しておらず、クマゼミがほとんどであり、クマゼミは夜にはほとんど鳴かないからだとのこと。


思い返してみれば、確かに一昔前までは夜間にセミの鳴き声を聞いたことなどなかったと記憶している。明るさは都心部の開発状況の進展ゆえのものだろうが、暑さについては地球温暖化現象やヒートアイランド現象によるもので、けっしてよいお話とはいえない。

また、「昔と比べて世間一般的に、夏の暑さがキツくなってないか?」という思いもあったのだが、これも夜に鳴くセミによって裏付けられたことになる。

夏の情緒あふれるセミの声も、色々な事情を知ってしまうとそれなりに複雑な思いがよぎるのは、当方が心配性ゆえのものだろうか。

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