宇宙ホテルが2012年にオープン・費用は3日で5億円!?
2007年08月14日 08:05
【Daily Mail】などによると、SFのような話にすら聞こえる、「Galactic Suite(ギャラクティックスイーツ)」と呼ばれる宇宙ホテルを地球の衛星軌道上に浮かせる民間プロジェクトがスタートした。2012年にはオープンするするという。費用はさまざまな諸経費コミで3泊200万ポンド(約4億7600万円)。
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このプロジェクトはスペインを活動拠点においている建築家【ザビエル・クララムント氏(Xavier Claramunt)】が中心になってスタートさせたもので、プロジェクト名は【ギャラクティック・スイート・プロジェクト(Galactic Suite Project)】。
開設当初は「さや」の形をしたダブルルームが3つ用意され、一度に6人を収容。最大でこの「さや」を22個接続し、宇宙ホテルを構築するという。この「さや」自身はアメリカのスペースシャトルで運ばれるため、このような形状になったという。
モジュールの形でシャトルで運ばれ増設される「さや」=ホテルの部屋
それぞれの「さや」は23×13フィートの広さを持ち、通常のホテルのような家具はほとんどない。客が装着するのはマジックテープ付のスーツなので、無重力状態でふわふわと浮くのに飽きたら、壁にへばりつき、横たわることもできるという。またホテル内において(無重力状態で)シャワーを浴びる方法としては、水の気泡が浮かぶサウナルームに入る形で解決させるとのこと(「おぼれて」しまわないかという不安があるが……)。ホテル全体は80分で地球を一周する。そのため「一日に15回日の出を見ることができる」とのこと。
「宇宙ホテル」の部屋の内部。基本的に無重力空間のようだ。
なお宇宙ホテルの旅費は3泊で200万ポンド。宇宙船発射基地にもなるカリブ海の島における宇宙旅行のための8週間の特殊集中訓練(元記事では「ジェームス・ボンドのような」と表記されている)、その基地までの旅費も費用に含まれている。「旅行」パックは2008年から販売を開始する予定とのこと。
ホテルへの行き来にはスペースシャトルをさらに鋭角化したような独自の宇宙船をカリブ海の島から打ち上げ、移動機関として用いるという。この宇宙船に関するスペック的な説明は今のところ見当たらない。
打ち上げられる移動用宇宙船と「宇宙ホテル」への接舷。
プロジェクトでは「人類による次なるフロンティア(開拓地)への窓口」とこのホテルを位置づけている。同時に「世界でもっとも有名な宇宙リゾートへの架け橋となるべく、さらには宇宙への旅行を世間一般に広めるため」努力を続けるとも説明している。
まるで夢物語のような話だが、クララムント氏のこのプロジェクトに対し元記事によると「15億ポンドもの予算が検討されている火星植民を目指しているアメリカのある企業が、この宇宙ホテルプロジェクトを(自分達の計画の)第一歩になるとして熱い視線を集めている」とのこと。またクララムント氏自身はこの宇宙ホテルに対し、「4万人もの利用見込み客がいるが、実際にお金を出してくれるかどうかは不明」と話している。
写真や公式サイトを見た限りでは、今回のGalactic Suite(ギャラクティックスイーツ)はアニメやSF小説でよく見かけるような「軌道ステーション」「宇宙ステーション」「スペースコロニー」のような「共同生活部分と個室が用意されていて小さな都市を築いている」タイプのものではなく、豪華なスイーツルームをカプセルホテルのような形でつくり、それをそれぞれ独自・別個に多数、ぶどうのようにつなぎ合わせる形でホテルを構築しているように見える。恐らくそれぞれの部屋は独立していて、本物のホテルのラウンジや廊下などのように、互いに行き来する部分はないのだろう。
宇宙空間の滞在は非常に魅力的であるし、地球の重力から解放された環境で地球の姿を見れば、また特別な想いも馳せることだろう。しかしそれにしても3日の滞在費用が5億円となれば、「4万人の可能性利用客」の中に入るのは、世間一般の人には難しいかもしれない。これでも他の「宇宙旅行」のチャンスと比べれば安いのだろうが、少なくとも当方には無理である(笑)。
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