【更新】国民年金の未納率上昇、2006年納付率は-0.8ポイントの66.3%に
2007年08月11日 12:00
社会保険庁は8月10日、2006年度における国民年金保険料の納付率が2005年度のそれと比べて0.8ポイント低い66.3%に下がったことを発表した。国で収納をはじめてから過去4年間上昇を続けていた納付率が2006年に入りはじめて減少したことになる。社会保険庁の相次ぐ不祥事が年金不信に結びついた形だ([発表リリース、PDF])。
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リリースなどによればこれまで市町村で収納していた国民年金を2002年以降は国で収納。一時的に納付率は大幅に下がったものの、以降はじわじわと上昇を続けていた。2007年までには80.0%の納付率を目指すという目標への到達は難しいといわれていたが、それでも努力の成果は見受けられていた。
年金納付率の推移
しかしながらここ一、二年で相次いで発覚した社会保険庁の不祥事問題が年金制度とそれを統括する社会保険庁への不信につながり、さらには公的年金全体の記録もれ問題もあり、保険料を納めない人が再び増加。そして社会保険事務所自身もこの年金問題の対応に追われて徴収業務も遅滞していることから、納付率が今後再び上昇に転じる可能性はあまり高くない。
リリースでは納付率の低下原因について考察も含め説明はいっさい無く、一方で[年金問題についてのページ]で「電話相談の応答率の向上」や「年金記録に関する電話相談への回答票の送付状況について」を同日に挙げている。好意的に解釈すれば「淡々と作業を進めている」、ごく普通に見れば「自分たちにとってマイナスとなる責任事項など説明するつもりはないということか!?」ということになるだろう。
年金問題、特に収納問題については「記録にすら残っていない」(職員らによって途中で「抜かれた」)問題をはじめ、「不正免除問題」、そしてなによりも「作業効率が悪く、一般民間企業なら懲戒ものな進捗度がいまだにまん延している」状況が、年金不信をさらに高める原因となっている。
特に「オンライン端末の操作は1日最高1万タッチ」「50分作業したら15分作業をしないお休みを設ける」など、国民感情を逆なでするような覚え書きや確認事項が交わされたことが発覚している([参照:読売新聞]>)。年金、そして社会保険庁(特にそれを構成する自治労)への不信感は留まるところを知らない。さらに[一部で指摘されている][(他の報道)]ように、社会保険庁解体を危惧した同労組などが「自爆テロ」のごとく、あるいは選挙における政争の具に用いられるようにサボタージュを行なっていることが伝えられ、それらの実情を大手マスコミがほとんど報じていない状況にあるなど、「将来の生活を支える大切な年金を預かる公僕が、いったい何をしているんだ」というツッコミが多くの人から寄せられているのが現状である。組織が肥大化・経年によって硬直化した結果、自己防衛機能が過剰に働き本来の目的を見失ってしまうことはよくある話ではあるが、労組にしても「そんなことをして、誰を守ってるの?」というような状況に見受けられる。
年金の収納率低下をはじめとした年金問題で、年金を真面目に支払っている多くの国民が困るのはもちろんだが、同時に真面目に働いている多くの公務員(社会保険庁の職員で「真面目に働いている」者含む)が「社会保険庁の職員が権利ばかり主張して義務を果たさず、ロクな仕事をしないからこんなことになった。公務員ってみんなそうなんだろう」という疑惑の目を向けられ、行き所の無い怒りが湧き上がったりモチベーションが下げられているのも事実。
自らは正しいと信じて行なっている行動かもしれないが、自分達の蚊帳の外に一歩足を踏み出せば、それがいかに「裸の王様」的な行いでしかないことが分かるはず。それでもなお周囲に迷惑をかけたいのなら「南の無人島にでも行って該当者だけで勝手に爆発でもボンバーマンでもやっていて下さい」と三行半を突きつけたいと考える人は少なくないことだろう。
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