郵便局の貯金、1000万円超えている分は「国債自動購入」へ
2007年08月19日 12:00
10月から民営化される日本郵政公社では、現在民営化に向けた各種準備を進めている。貯金限度額の厳守もその一つ。法律上、郵便貯金の預け入れ額は一人当たり1000万円が上限だが、現在その限度額を超えている貯金者は26万人ほどいるという。郵政公社側では最終手段として「限度額1000万円を超えている分は強制的に国債へ振り替える(自動購入)」の措置をとっており、逐次それを実行しているとのこと(参考:NHKなど)。
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郵便貯金の利用額は一人当たり最高で1000万円まで。財産形成定額貯金などについてはこの1000万円枠とは別に550万円まで預けることができる。ところが利子がついたり給料、年金が郵便貯金口座に振り込まれたりして、気が付かずに1000万円を超えていたというケースが多数存在しているとのこと。
郵政公社側では民営化をひかえて法令順守を厳密化するために、これまで以上に金額を減らして1000万円以内に納まるよう、職員が貯金をしている人の自宅を訪ねて求めたりしているが、中には「限度額を超えていると認識しているのに、減額に応じない」ケースもあるという。
このようなケースを踏まえ郵政公社では勧告に従わない場合、「文書通知を経て」「法律で認められた手続きに従い」「1000万円を超えている部分は強制的に国債に振り替える(国債を強制購入させられる)」などの対応を急いでいるという。
今回改めて報じられている「限度額を超えた分は、勧告に従わないと国債強制購入」という話、実は2004年3月にすでにルール化されている。具体的にはリリースに記載されているが、
郵便貯金の預入限度額(お一人さま1000万円)を超える預入をした場合は、預入限度額以内となるよう減額を要請し、これに応じていただけない預金者に減額の要請及び減額していただけないときは国債を購入させていただく旨の催告書を送付しています。
催告書を送付して1か月を経過しても減額に応じていただけない預金者について、預入限度額以内となるようその貯金の一部を払い戻して国債を購入することとしています。
という流れになっている。ちなみにこのリリースにもあるように、2004年3月の際には実際に2名(合わせて7900万円分)について国債購入措置を採ったとのこと。
ただし、【最新の説明】では、この上限枠について「民営化当初はお一人さま1000万円」という表記があり、この部分が強調表記されている。また、すでに【郵便局の貯金の上限が撤廃されるかも……】でも報じているように、民営化後はこの上限枠の変更(撤廃)を模索していることを表明している。足かせとなっている「1000万円枠」に手を加えたい雰囲気がありありである。
現状では「1000万円を超えたら国債強制購入」だが、将来はこの上限が上がるなり、枠そのものが無くなり、「残高いくらだったっけ、勧告は事前にあるけど気をつけないと国債化しちゃう」という心配をする必要もなくなるかもしれない。
■関連記事:
【ゆうちょ銀行の貯金「1000万円上限」の撤廃を要望(2008/04/02)】
(最終更新:2013/08/19)
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