イギリスに一年中「のうむ」におおわれた庭が出現
2007年07月29日 12:00
今の日本では自分の庭を持てる人はさほど多くないが、それでも「庭持ち」の人の楽しみの一つ「ガーデニング」は昔から多くの人によって語られている娯楽テーマの一つ。庭に池を作って金魚や鯉を飼ったり、松などの木を植えて自然の一部分を切り取った情景、あるいは自分の想像する世界を自分の目の前に再現し、「わびさび」をいつでも目の前に納めておきたいという願望をかなえさせるものだ。ジオラマ作りや盆栽も似たようなテーマといえるだろう。その思いは世界共通のようで、イギリス南部にあるWillesboroughに住むJean Balcombe嬢(67)は自分の庭に20年以上の月日をかけてその夢をかなえた。例えるならば「一年中”のうむ”におおわれた庭」といったところだろうか(【参照:デイリーメール】)
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彼女の家には一面に「濃霧」ではなく「ノーム」、つまり「Gnome(s)」が敷き詰められている。その数、およそ1500体。
Jean Balcombe嬢と、彼女がそろえたノームたち。
写真を良く見てみるとノーム(ケルト系の妖精伝承に登場する妖精の類。とんがり帽子を被った小さな老人の姿をしている)以外にアヒルや白雪姫のようなものの姿も見えるが、そういう細かい事は気にしない。
彼女はある日、休日にあるノームの置物に出会い、「彼」にほれ込んでしまった。彼女の庭が「ノーム警報」になってしまったきっかけは、そのノームとの出会いであったと彼女は語っている。それ以降、彼女は彼女の夫と共にノームの置物の収集を続け、20年間かけて1500体以上を庭に集めたことになる。増えすぎた置物を再整理し、他人に見せることができるように庭全体の設計をやり直したほど、熱が入っている。
彼女の収集欲の高さには唖然とさせられる人も多いという。それは彼女自身も認めている。しかしそれでも彼女は「自分が世界で一番、一年中カラフルで素晴らしい庭を持っている」と自分の庭を誇りにしている。
しかも「ノームなガーデニングによる庭」には次のようなメリットもある、と彼女は誇らしげに語っている。「私達の庭に必要な手入れは、ノームたちの汚れを流し取るためにホースで水をかけるだけです。雑草を刈り取ったり種や苗を植えたりして苦労することはないのです」と。
「継続は力なり」という言葉がある。また、日本やイギリスに限らず、通常の人々の常識を超えた収集を行う収集家は数多く存在する。書庫専用の蔵を建てて収集した蔵書を納め、自分だけの図書館のような場所を作る人、特定ジャンルの縫いぐるみやフィギュアを集めて部屋一杯に飾る人、自宅の屋根裏部屋を改造して鉄道模型のレイアウト(ジオラマ)を作り、その部屋を模型ワールドにしてしまう人。「なんでも鑑定団」に出てくるコレクターな方々も良い例だ。
自分の趣味や気に入ったものをただひたすら熱心に、そして一途に実行し続ける。年数を経るにつれてそれは単なる趣味的コレクションから、芸術的な造型に昇華しうる。彼女が20年以上かけて創り上げた「ノームな世界の庭」も、まさに「世界に誇れる庭に昇華した」作品の代表例といえるだろう。
(c)2007 Associated Newspapers Ltd .
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