モバイルショッピングは浸透中、ただし利用額はまだ少額
2007年07月27日 06:30
【Webマーケティングガイド】が7月24日に発表した、モバイル(携帯電話)のオンラインショッピングに関する実態調査によると、一回あたりのオンラインショッピングの購入金額は1万円未満や5000円未満と答えた人がもっとも多く、「少額の買物」をたしなんでいる人が多数派を占めることが明らかになった(【発表リリース】)。
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今調査は18歳から49歳のモバイル(携帯電話、以下同)ユーザー300人に対し7月13日から16日までの間行われたもので、男女比は1対1。年齢層は30代がもっとも多く41.0%、ついで20代の29.0%など。キャリア比は【NTTドコモ(9437)】が54.7%、【au(KDDI(9433))】が35.3%、【ソフトバンクモバイル(9984)】が10.0%。調査母体数が少なめなので、現状とは多少のブレが生じている可能性を考慮する必要がある。
そもそもオンラインショッピング(インターネットを経由した通信販売)をしなければモバイルオンラインショッピングの話を聞いても意味はない。そこでパソコン・モバイルそれぞれについて、オンラインショッピングやオークションをしたことがあるかどうかについてたずねたところ、オンラインショッピング・オークション共にモバイルよりパソコンの方が多いという結果が出た。
パソコン・モバイルそれぞれについて、オンラインショッピングやオークションをしたことがあるか
モバイルによるオンラインショッピングやオークションは現在成長過程にあるとはいえ、大画面で操作しやすい入力装置を用いることができるパソコンに、現状では軍配があがったようだ。
ではモバイルオンラインショッピングやオークションでどれくらいの額を1度に使うのか。金額を細分化した上で尋ねたところ、「5000円未満」「10000円未満」と答えた層がもっとも多く22.0%を占めた。
モバイルオンラインショッピング・オークションで1回に使う金額は?
10000円より下の額における区分に多くの人が答えを出していることから、一般的にモバイルでは少額の購入をする人が多いことが分かる。
一方で一度に3万円以上の買物をする人が8.3%なのをはじめ、「10000円以上」と答えている人があわせて3割近くに登っていることも見逃せない。パソコン経由と比べればまだ少ない値かもしれないが、「少ない情報と限られた操作系」のモバイル経由でも高額の商品(あるいはまとめ買いかもしれないが)を購入する人が少なからずいるのは、注目に値するところである。
ではモバイル経由での購入はどのような商品を対象としているのだろうか。以前似たような調査結果を記事にした時には、女性陣が生活環境の中でコスメ系サイトを見ながらさくさくとファッションの小物や化粧品を購入するシチュエーションを連想させるような結果が出ていた。今回の調査結果でも、「ファッション小物」は第2位に位置していた。
モバイルオンラインショッピングで普段購入するものは
モバイル上で販売されている商品の性質も多分に影響を与えているのだろうが、やはりちょっとした衝動で購入したくなり気軽に注文できる「本・CD・DVD」の割合が群を抜いて高かった。アマゾンジャパンや楽天市場の書籍部門の得意分野であるだけに、これら通販サイト(の代理店制度)も利用頻度の高さに大きな影響を与えているのだろう。
次いで「ファッション小物」が入っているが、これは先にもあるように、自宅や出先で気軽に関連サイトを見ながら欲しいと思ったアイテムを直感的に購入するという購入スタイルがあるのだろう。また、オンラインショッピング以外にオークションも計測対象なので、オークションで欲しいバッグやアクセサリーを購入するパターンも含まれていると思われる。これは第5位の「アパレル・衣服」なども同様だろう。
第3位には「チケット」が入っている。これはパソコン以上に機動性・時間の融通性が利くモバイルから注文をしてどうしても欲しいチケットを購入しようと試みたり、パソコンと同時に入力して複数機会から当選・接続のチャンスをうかがっているのだろう。また、出先やポスター、雑誌を見てその場でチケットのオーダーをするという「どこでも予約」的なシチュエーションによるものかもしれない。
【携帯電話ビジネスは成長続く、前年比29%増の9285億円に・特に商品売買部門が急拡大】にもあるように、モバイル市場ではコマース部門、特に物販部門の成長が著しい。携帯電話の機能が向上し、表示や操作の面でパソコンに近いものが望めるようになった昨今、そしてこれからは、今まで以上にこの分野の躍進が望めるだろう。
利用者の中には携帯電話で通販を行うことへの抵抗感が強い人も多い。しかし今後携帯電話の機能が向上し、また携帯電話以外にもさまざまなモバイル端末が普及するにつれ、そのような抵抗感も薄れていくのだろう。
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