ネットを使いこなすシニア層、金融商品取引も経験豊富
2007年07月24日 08:00
【ウェブマーケティングガイド】は7月23日、シニア層によるインターネットでの金融商品の購入に関する調査結果を発表した。それによると8割を超える人たちがネットで金融商品を購入しはじめてから1年以上経過していることが明らかになった。「亀の甲より年の功」という言葉があるが、まさにシニア層はネット上の金融商品売買にも経験を積み重ねていることが分かる(【発表リリース】)。
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今調査はインターネット上で金融商品を購入した経験がある50代と60代の男女インターネットユーザー300人を対象としている。母数がやや少なめなので、社会の実情とは多少のぶれが生じている可能性を考慮する必要がある。
50代・60代というと定年退職間近か退職したばかりの人が多数を占める。退職前でもそれなりのたくわえはあるだろうし、退職すれば少なからぬ退職金を手にする一方、年金では不足しがちな老後生活を充実したものとするため、金融商品の売買によって金銭的な補完を図ろうという考えが働くと思われる。そこでニーズが高い金融商品の購入手段として、気軽に売買できるインターネット経由での購入をはじめてどの位たつのかたずねたところ、3年以上と答えた人が41.3%と4割を超す結果が出た。
ネットで金融商品を買い始めてからどれ位経つか
「1年以上2年未満」「2年以上3年未満」の層をあわせると、実に81.3%もの人がネット上で金融商品を購入し始めてから1年以上経過していることが分かる。ネット証券やネット銀行は21世紀に入ってから急速に普及しはじめていることを考えると、かなりの割合で金融商品についてもネットを積極的に活用しているのが分かる。
各種データからは「50代や60代はそれより若い層と比べてネット利用率が低い」という結果が出ていることもあわせて考えると、今回の回答者は壮齢層の中でも最先端を行く人たちなのかもしれない(もっとも今調査の母体に含まれる、つまりインターネットのアンケートに積極的に答えているという時点で、ネットをかなり有効に活用している部類に含まれるともいえるのだが)。
これら壮齢層がネットで金融商品を購入するきっかけとなったもの、あるいは影響を受けたものは「自分で必要性を感じたため」がもっとも多く42.7%を占めているが、次いで「知人・友人・家族に勧められた」「家族が利用していた」など、口コミや身近な人からの影響が強いことが分かる。ネット上や雑誌の記事、テレビやニュースなどメディアからの情報は「情報量としては多数に及ぶものの」大きな影響力は持ちえていないことが分かる。
それではネットで金融商品を購入する(イコールすでにネットを巧みに使いこなしている)壮齢層は、ネット上のどのようなサイトやサービスを参考にしているのだろうか。
金融商品の情報を収集する際に参考にするサービス(複数回答)
権威付け、あるいはプロ・専門家による意見を何よりも大切にし信頼する傾向が強いからなのか、証券・金融会社のサイトと答える人が群を抜いて多く、8割近い回答数を得ている。次いでニュースサイトと続き、投資や金融に関するブログは31.7%に過ぎなかった。またSNSの投資に関するコミュニティはわずか5.3%だった。
同様の質問を幅広い年齢層に尋ねた場合(【「投資は50万円以下から」が過半数、情報源はインターネットがメイン】)、証券・金融会社のサイトはファイナンスサイトとほぼ同程度であり、ニュースサイトがトップに立っている。今回の調査の過程で選択肢そのものに問題がないとはいえないが、壮齢層では「投資仲間よりは専門家の声に耳を傾ける」ようすがうかがえる。
今回の調査結果を簡単にまとめると「ネットで金融商品を購入しているシニア層はネットなどの先端技術に積極的にアプローチする気概を持ち、他人の意見にも柔軟に耳を傾ける姿勢を持っている。そして専門家の意見を聞いて参考にするという謙虚な姿勢もうかがわせる」ということになるのだろうか。生活にダイレクトに影響を及ぼすということも一因なのだろう。このような層による運用実績に関する追調査結果を見たいものだ。
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(最終更新:2013/08/20)
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