マンションのモデルルームを疑似体験・オリックス不動産が『セカンドライフ』に進出

2007年07月18日 06:30

オリックス不動産ショールームイメージ【オリックス(8591)】の不動産関連100%子会社であるオリックス不動産は7月17日、多人数同時参加型ネッワークコミュニケーションツール【セカンドライフ(Second Life)】内に出店することを発表した。大型複合施設を『セカンドライフ』内に9月までに設置し、自社不動産物件のモデルルームなどを展開する(発表リリース)。

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オリックス不動産ではマンションや一戸建て、介護施設など各種建築物を構築し、提供してきた。『セカンドライフ』内では住民向けに、これまで提供してきた物件の建築実績や技術、経験を反映し、独自のアイディアを用いた「不動産」開発を行う。

また、現実の世界で販売するマンションをモデルルームとして『セカンドライフ』内に建設。バーチャルモデルルームや体験コーナーを通じ、公式サイトへのアクセスや資料請求の増加などを図り、販売促進につなげていくという。

要は「『セカンドライフ』内における不動産販売」「『セカンドライフ』を用いた実世界の不動産商品の宣伝」の2本立てで『セカンドライフ』を活用することになる。

『セカンドライフ』住民向けの物件。『シムシティ』の未来都市に出てきそうな造型
『セカンドライフ』住民向けの物件。『シムシティ』の未来都市に出てきそうな造型
現実世界の不動産の販促用モデルルーム。実物件のウェブサイトへとリンクし、資料請求が出来るとのこと
現実世界の不動産の販促用モデルルーム。実物件のウェブサイトへとリンクし、資料請求が出来るとのこと

具体的な場所は「オリックス島」(【http://slurl.com/secondlife/orix1/128/128/20/】)。7月中旬にプレオープン、9月に実働開始予定。

商品単価が高く、商品そのものの移動が出来ず実物のある場所にまで足を運ばないと事実上チェックが出来ないマンションや一戸建てでは、「内見(下見)」が重要な要素となる。最近ではそれに近い体験ができるよう、動画や多数の写真、フラッシュを用いたバーチャル体験での「下見」を行うサービスも出てきたが、今ひとつ実情がつかみにくい。

ところが『セカンドライフ』内で現物件と同比率でモデルルームを作ることにより、外の環境や内装の詳細、騒音問題など細かい点はともかく、「部屋の内部を歩き回って部屋の奥行きや間取り、歩行感覚、部屋内の視点」など、多くのポイントにおいて、実際の内見とほぼ同じ体験が出来る。あらかじめ録画された動画よりはるかに「物件の内情」が把握できることだろう。

しかも実際の不動産のように、現地まで足を運ぶ必要は無い。『セカンドライフ』のアカウントを取得し自分のパソコンで「モデルルーム」までジャンプすれば良いだけの話。いざとなれば知り合いのアカウントを借りるなり、その人に「モデルルーム」におもむいてもらい、一緒に見てもらえばよい。

一戸一戸別々のデザインがほどこされた一戸建ての場合だと、それぞれのパターンのモデルルームを作る必要があるので手間がかかるが、マンションならば数パターンのモデルルームを作ることでマンション1棟(あるいは1エリア分の複数棟分)のサンプルをお客に提供できる。該当するマンションが完売したら、データを廃棄して新しい物件のモデルルームを作ればよく、そのスペースも材料もムダにならない。

今回オリックス不動産が行う2つの「不動産事業」だが、「初心者をいかに『セカンドライフ』内モデルルームに誘導し、楽しんでもらうか」の工夫をうまくほどこせば、『セカンドライフ』内不動産の売買以上に有益で可能性のあるビジネスが「モデルルーム部門」で実現するかもしれない。

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