アニメセクター銘柄を集めてみる
2007年07月18日 06:30
【外国人漫画家を表彰する第一回「国際漫画賞」決定】にもあるように、アニメや漫画方面にも理解の明るい麻生外務大臣の尽力やネット関連のインフラの整備・動画配信システムの普及などで、日本のアニメに関する注目は今まで以上に高まりつつある。さる研究所のレポートをきっかけに起きた数年前の「萌え銘柄」の急騰も、その大部分はアニメ関連銘柄が対象だった。そこで今回改めて、アニメになじみが深い銘柄をピックアップしてみることにした。
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さて、現在のアニメはプロモーション活動に大手代理店を用いる場合が多い。ゲームとのマルチメディア展開で「アニメはサブ、ゲームがメイン」というところもある。これらの会社もすべて「アニメセクター銘柄」としてしまうと、代理店の多く、ゲーム会社のほとんどが該当してしまう。最近はネット上で動画配信をする作品や携帯電話で作品の一部を展開するところも多いから、プロバイダーや携帯電話関連企業も同様。あらためて各産業(特にIT系)は互いにつながりあっていることを実感させられる。
それらの銘柄までピックアップするときりが無い。そこで、各企業のうち主事業がアニメ関連と思えるもの(プラスα……子会社にアニメ関連会社を持つところなど)にしぼってチェックを入れてみることにした。順番は基本的に証券コード順。また、各企業には優待情報と共に、大手株主のうち気になるところをリストアップしてみた。力関係や大手企業のアニメ分野への展開の意図がかいまみれて面白いかもしれない。
●【東北新社(2329)】
[優待]持ち株数に応じて自社指定のDVDソフト
●【ウィーヴ(2360)】
[大株主]インデックスHD(6.8%)
●【トムス・エンターテイメント(3585)】
[大株主]セガサミーHD(39.4%)、セガサミーインベストメント(13.8%)、日本テレビ放送網(4.5%)
[優待]持ち株数に応じてアニメキャラクオカード
●【創通(3711)】
[大株主]バンダイナムコHD(16.1%)、フォーサイドドットコム(2.2%)
[優待]持ち株数に応じてクオカードかオリジナル絵皿
●【GDH(3755)】
[大株主]ソネットエンタテインメント(14.2%)、フジテレビジョン(4.2%)、電通(1.4%)
[優待]持ち株数に応じて自社グループDVDやボックス
●【プロダクション・アイジー(3791)】
[大株主]電通(11.7%)、日本テレビ放送網(11.7%)
●【バンダイビジュアル(4325)】
[大株主]バンダイナムコHD(62.3%)、サンライズ(0.7%)
[優待]持ち株数に応じて自社DVDかビデオ
●【東映アニメーション(4816)】
[大株主]東映(32.0%)、テレビ朝日(14.2%)、フジテレビジョン(7.1%)、NTT東日本(3.7%)
[優待]持ち株数に応じて自社作品のキャラクタクオカード
●【インデックスHD(4835)】
[大株主]スカイパーフェクトTV(3.6%)、フジテレビジョン(3.5%)、TBS(1.4%)、テレビ朝日(1.3%)、博報堂(1.0%)、ゲオ(0.8%)
●【マーベラスエンターテイメント(7844)】
[大株主]ポニーキャニオン(1.8%)
[優待]持ち株数に応じて自社製品各種
●【テレビ東京(9411)】
[大株主]日本経済新聞(33.3%)、毎日放送(2.5%)
[優待]オリジナルクオカード、自社公開番組に抽選で招待
●【角川グループHD(9477)】
[大株主]バンダイナムコHD(4.5%)、NTTドコモ(3.7%)
[優待]自社書籍またはDVD
意外に多くのアニメ関係企業が他の媒体と資本関係で結びついているのが分かる。また、自社作品やその関連商品を優待として株主に提供しているところも多い。最低投資単価が比較的安価なところもあるので、「あのアニメ作品が好きで、心の底から応援したい!」と思っている人には、このような銘柄を投資の対象として選択するのも一つの手だろう。
ただしこのセクター、以前の「萌え」ブームの時のように火が付くと加熱するのも早いが醒めるのも早い。また、通常はどちらかというと「実業」より「虚業」扱いされる場合が多く、低迷する期間が長いという特徴もある。ある意味「試練」を必要とするかもしれない。
「自分が熟知している業界の銘柄を選ぶ」という長期投資の一観点からは良いかもしれないが、一般の個人投資家にはやや難しいセクターといえるだろう。
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