肺がんの原因遺伝子発見・新たな診断法や治療戦略へ期待

2007年07月13日 06:30

医療イメージ【科学技術振興機構】は7月12日、人間の肺がんの原因となる新しいがん遺伝子を発見したと発表した。肺がんは日本人の死因のトップに挙げられる、がんの中でももっとも問題視されているもの。この肺がんに対する遺伝子が見つかったことで、肺がんへの診断を早期化したり治療できるのではないかと期待されている(【発表リリース】)。

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肺がんは早期発見が困難なだけでなく、現在抗がん剤などを用いた化学療法を用いても延命が難しいタイプのがん。先に挙げた『象の背中』でも、主人公がわずらっているのがこの肺がんである。

研究グループでは喫煙者に生じた肺がんの細胞を分析、「EML4-ALK」というがんの原因遺伝子を発見した。EML4は細胞の骨格たんぱく質をつくるもので、ALKは酵素の一種であるが、それぞれは単独ではがん細胞とは関係ないものの、二つが結びついて「EML4-ALK」となることでがん遺伝子となるという。そしてこのEML4-ALKが、日本人の灰がん患者の約1割に存在することを確認したという。

今回の発見により、「肺がんの早期発見が期待できる」「ALKの不活性化を狙うことで肺がんの治療にプラスとなるのではないかという観点から治療戦略を構築できる」などの点で肺がん治療への効果が期待できる。

現在肺がんはがんの中でももっともタチの悪いものとして位置づけられている。今回の発見が肺がんの治療はもとより、早期発見にプラスとなるような技術の開発に結びつくよう、祈りたいものだ。


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(最終更新:2013/09/08)

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