フリーターに「脱アルバイト」「脱パート」の傾向あり

2007年07月06日 06:30

時節イメージ【インテリジェンス(4757)】の求人情報サービス「an」は7月4日、アルバイトやパート、派遣社員、契約社員など、正規雇用以外での仕事を希望する人たちに、その仕事に関するアンケートを行った結果を発表した。それによるとフリーターや一部の主婦層にアルバイトやパートではなく、派遣社員などの準社員的な雇用体系を求める意見が多く見られることが明らかになった(【発表リリース】)。

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今調査は2月に全国の15歳から34歳の「現在学生か正規社員以外」で「過去一年間に正規社員以外の仕事についたことがあり」、「今後も正規社員以外での」仕事を求める男女6941人に対して行われたもの。性別や属性のサンプルに対し総務省の統計データに基づいたウェイトをかけているため、(修正された)発表データは全国的な平均値に近いものとなっている。

今後正規社員以外の待遇で働きたい人のうち、約2/3がアルバイトやパート、約1/3が契約社員や派遣社員の立場を望んでいるという結果が出ている。

地域別の希望雇用形態
地域別の希望雇用形態

北海道だけは派遣社員の割合が少なくその分契約社員が多いが、これは北海道では派遣事業者数が少ないため、派遣という概念そのものがあまり浸透していないことが要因にあるようだ。

また、各地位別に属性(学生、フリーター、主婦など)でさらに細分化したデータを見てみると、「アルバイト・パート」を求める割合がフリーターにおいて特に少ないことが分かる。

希望雇用形態(地域・属性別)
希望雇用形態(地域・属性別)

フリーター以外では首都圏・関西の主婦層において「アルバイト・パート」を求める層が6割前後でしかなく、フリーター同様の傾向が見られる(北海道では派遣社員を希望する人が少ないのは前述の理由の通り)。

「アルバイト・パート」以外を求める割合が多いフリーターでは、前述の北海道を除くすべての地域で派遣社員の割合が25%を超え、首都圏では3割近くに登っている。正規社員としての雇用は望んでいない(あるいは諸般の事情でかなわない)が、働くならばそれに近い条件とサポートで、という考えの人が多いのだろう。

雇用状況は一応(景気動向と共に)改善の方向に向かいつつある一方、契約・派遣社員への待遇が社会問題化され、注目を集めるようになった。それに従い「ワーキング・プア」を産み出す一因として倫理的な観点だけでなく行政からの指導のメスも入り、契約社員や派遣社員などへの待遇も「以前と比べれば」よい方向に進みつつあるのかもしれない。

単なるパートやアルバイトより、契約・派遣社員を求める人が増えているのも、そのような状況の変化があるからなのだろう。

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