お惣菜は週一回以上利用、手軽で便利だが「味が濃い」との意見も

2007年07月05日 08:00

お惣菜イメージネット調査機関の【マイボイスコム】が発表した調査結果によると、過半数の人たちが週に少なくとも一回は店で販売しているお惣菜(そうざい)を購入していることが明らかになった。またお惣菜のイメージとして「手軽・便利」である一方、「味付けが濃い」という厳しい意見も見受けられた(【発表リリース】)。

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今調査はウェブ上のアンケート形式で行われたもので、調査時期は6月1日から5日。回答者数は1万3384人、男女比は46対54、年齢層は30代が39%、40代が27%と30~40代がもっとも多い。

購入するお惣菜は「おにぎり」「弁当類」「調理パン」など主食がメイン

「普段購入して食べるお惣菜類は」との問い(複数回答)には、「おにぎり」「弁当類」「調理パン」など、主食群が上位を占めた。

「普段購入して食べるお惣菜類は」
「普段購入して食べるお惣菜類は」

サラリーマンやOLが昼飯として購入したり、仕事を終えて帰宅する際に「自炊するのも疲れるし……」という心境から手に取るパターンだろうか。また、ようやく四番目におかずとして「刺し身」が入ってくるが、これは自分で切り分けるのが難しいからだと思われる。同様の(調理が大変だが食べるのは好き)理由から、「揚げ物・主菜となるもの」「にぎり寿司」などが上位に入っている。

さらに、全般的に主食以外では「寿司系」のおかずが軒並み上位に食い込んでいるのが興味深い。

「お惣菜は週に一回以上」が過半数、場所はスーパーやコンビ二で

では実際にどれくらいの頻度でお惣菜を利用しているのか。ほぼ毎日と答えた人はわずかに2.6%に過ぎなかったが、週の半分以上(4~5回や2~3回)と答えた人が全体の3割近くに登っていた。

「お惣菜の利用頻度」
「お惣菜の利用頻度」

「週に一回」までを含めた「週に一回以上」利用している人は全体の55.8%で過半数を占めている。コンビニ弁当やおにぎりも「お惣菜」の対象に含まれていることを考えると、やや少なめ、というイメージがあるかもしれない。

一方それらのお惣菜をどこで購入するか、購入場所を尋ねたところ「地域の食料品スーパー」「大型スーパー」「コンビニエンスストア」がそれぞれ6割近い回答を得ており、この3か所が「お惣菜の購入場所」としてもっとも認知されていることが分かる。

「お惣菜の購入場所」
「お惣菜の購入場所」

スーパーやデパートでは集客の大きな要(かなめ)としてお惣菜などの食品を考えていることが多い。また、コンビニでももっとも力を入れて商品開発に取り組み、それこそ毎週のように新商品を発売しているのが(パンやおにぎり、お弁当も含めた)お惣菜である。お惣菜は特にコンビニの個性が色濃く反映し、「コンビニの顔」にもなりうるので、注力するのも当然といえよう。

時間が無く面倒な時に便利、でも味が濃くて高い

惣菜など買わずに自炊し、自分で創ればいいのに、と思う人も多いだろう。それでは実際にお惣菜を購入するのはどのようなシーンだろうか。

「どんな時にお惣菜を購入するか」
「どんな時にお惣菜を購入するか」

やはり一番多かったのが「時間が無い」。朝は「一分でも余計に寝ていたい」という考えを誰でも持つだろうし、帰宅してもやることがたくさんある人は「ご飯を作る時間も面倒くさい」と思うのだろう。似たような理由で「作るのが面倒」というのも第一位とほぼ同数で第二位に入っている。

一方で「自分では創れないものがある」「少量必要な分だけほしい」「おかずの品数を増やしたい」が、第一位・二位から半減しているが、多くの意見として挙げられている。主に購入しているおかずとしてのお惣菜に刺し身・お寿司系が多いのも「自分でさばいたり握ったりできないけど、欲しい分だけ食べたいな」という思惑があるからなのだろうし、これらの意見にもその思惑が反映されているのだろう。

一方、実際に購入したお惣菜に対するイメージは「手軽・便利」が一番となった。

「市販のお惣菜に対するイメージ」
「市販のお惣菜に対するイメージ」

一方で「味付けが濃い」がマイナスのイメージとしては高い位置にあるのが分かる。市販惣菜は一般的に作った直後に口にされることを想定していない。店先に並べられ、お客に買われ、自宅や職場まで持ち運びされ、さらに食事の時間までしばらく間をおいて初めて購入者の口元まで運ばれることになる。つまり、時間の経過を考慮した上で、あらかじめ味付けを濃くしてあるわけだ。

とはいえ、作られてから食べるまでの時間は人それぞれで、場合によってはお店の想定時間より早めに食されることもあり、当然その場合「味が濃い」と思われるようになる。また、家庭内の料理のような味付けにして「味がついていない」と文句を言われるよりは、ある程度味付けを濃くしておいた方がよいという「予防線」的な考えもあるのだろう(余談だが肉体労働者が客層の多くを占めるコンビニや外食店では、塩分を多めに必要とするため、それを考慮し味の濃い料理を多数そろえている場合が多い)。


最近は集客効果が高く、また食事のスタイルとして中食(外食と内食の中間。惣菜などを店で買い自宅や職場で食べること)が広く行われるようになったこともあり、小売業界でもお惣菜への注目が高まっている。先にも触れたが、コンビニでは各チェーン店の「顔」にもなっているほどだ(誰でも「セブンイレブンのおにぎりは美味しい」「ローソンの弁当はなかなか通好み」といったこだわりはあるだろう)。

便利で簡単に食生活に彩りを与え、料理の時間を節約してくれるのがお惣菜。これからもますます販売元は増え、選択肢もよりどりみどりとなるはずだ。

一方で昨今のさまざまな事件から食の安全に対する注目がますます高まっている。健康志向が強まる中で、味付けやカロリーなどに対する厳しい眼も、お惣菜に向けられるようになっている。今後、これらの「利用者側の意見」に応えたお惣菜が、多くの人に支持されるようになることだろう。

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